Studio Ghibli Layout Designs
せっかく夏休み期間も終わったので、開催期間が終わる前に札幌芸術の森美術館へ観に行って来た。
芸術の森美術館へ行くのは、最近では男鹿和雄展、絵画と写真の交差以来。いつも、近代美術館など他の美術展よりも密度が濃くて、観るのに3時間以上かかるので、今回も朝イチで出かけて来た。
駐車場の回数券もあることだし、自転車で行くのが怠かったので、車で出かけた。料金所で美術館に一番近い駐車場へ案内された。札幌市立大学の方だった。チケットを買っている間に開場したけれど、それまでは短い行列ができていて心配になった。
スタジオジブリ・レイアウト展はジブリだけあって、子ども連れが多かった。夏休みをはずしても土曜日じゃ仕方ない。
財布の中で小銭がじゃらじゃらしていたので、音声ガイドを初めて使ってみた。おばちゃんと一緒にレクチャーを受けてから会場へ進んだ。数字のボタンを押すと音楽が流れて来て、続いてナレーションが始まる。今回の展示はアニメなので、サウンドトラックが音声ガイドのBGMになっていて、雰囲気が出てよかった。
ちなみに、音声ガイドのタイトルは「レイアウトの秘密がもっと分かる話。」解説件数35件、解説時間は約45分にもおよび、これだけでも相当時間がかかる。ナビゲーターは「千と千尋の神隠し」の千尋役の柊 瑠美、スタジオジブリとジブリ美術館からの出演に加えて、男鹿和雄が特別出演だった。会場で「レイアウトとは?」という解説が配られているけれど、展示されているレイアウトへの細かい書き込みなどについての解説なんかもあって、結構楽しめた。借りて正解。
レイアウトがどんなものか知らないで観に行ったので、若干拍子抜け。ジブリの絵職人 男鹿和雄展-トトロの森を描いた人。とちがい、絵自体が美しいものではなく、絵コンテをもっときれいにした感じ。アニメの制作工程をのぞくような展示なので、かなりマニアックだった。当然、子どもには不向き。
逆に、写真部的な視点で見ると、レイアウトは面白かった。フレームはまさしくファインダーのフレーミングだ。中にはフレームを移動させたり、フレームサイズを修正したりしているものがあって、フレーミングの妙技を楽しめる。
デジタルへ移行するずっと以前の「未来少年コナン」や「アルプスの少女ハイジ」などのアニメから展示されているので、セルアニメ独特の撮影技法やカメラワークもレイアウトに反映されていて面白い。透過光の利用は、写真でもするので何となく分かる。パンやつけパン、トラック・アップ、トラック・ダウンなどのカメラの動きによる表現も面白い。
展示内容については、会場へ入るといきなりレイアウトの嵐。様々な作品のレイアウトが並んでいた。その後、「風の谷のナウシカ」、「天空の城ラピュタ」といった初期の作品から始まり、「崖の上のポニョ」まで続いた後、「アルプスの少女ハイジ」からの古い作品、そして、最後に「借りぐらしのアリエッティ」だった。
作品によって保存されているレイアウトの数が大きく異なるらしく、「魔女の宅急便」は3枚だけだった。そのうちの1枚が巨大だったけれど。逆に、「千と千尋の神隠し」は、客いじめと思えるほどに壁中にところ狭しと飾られていた。会場の演出も気が利いていて、狭くて暗いトンネルをくぐり抜けると、正面に大きな油屋のレイアウトが立っていた。
解説には作品は1,291点で、観覧時間の目安は1時間半から2時間と書いてある。音声ガイドでプラス45分と思えば、3時間は妥当なのかな。あまりに時間がかかるので、後半はかなり飛ばしてみて、書き込みまで読む時間なかったけど。
「もののけ姫」の後半は宮崎駿直筆のレイアウトがたくさんで見応えがあった。最後のアリエッティは映画をまだ見ていないのでよく分からない。むしろ、ネタバレ感が。2年前の男鹿和雄展でのポニョのネタバレに引き続き。まあ、最新映画の展示が札幌から始まるのは悪くないけど。
とりあえず、図録とクリアファイル、ポストカードを特設レジで買おうと財布を開いたら100円足りない。「すみません。お金がありません。」と謝ってから、カードが使える特設ショップの方で買い直した。
この展示、実は、2年も前に東京で開催されて、国内を巡回しているものだった。回って来るだけいいけど。
さすがにトトロとは写真を撮らないでそのまま帰った。同じペースで観ていたのはほんの数人。ほとんどは自分よりもかなり早いペースで観ていた。まあ、美術館のためにはなるのだろうからいいんだけど。
レイアウト展と同時に開催されていた、「中庭インスタレーション 森迫暁夫 “中庭住宅(分譲中)”」が面白かった。兎小屋にも縁がないので、鳥の巣箱はいいなぁ。
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