チㇷ゚サンケ
5年ぶりにチㇷ゚サンケへ行って来た。
悠らり邸を16時に出発して、札幌北ICから日高富川ICまで直行。そこから二風谷まで走り、1時間半で到着。駐車場は意外と混んでいて、会場ではライブが始まっていた。トンコリの演奏をしていたけれど、アイヌアートプロジェクトというアイヌ音楽の演奏グループだった。5年前に初めて前夜祭へ来たときに比べると、ずいぶん祭っぽくなった気がした。後半は小雨が降る中、アイヌ風ロックという感じの演奏が続いた。こういうクロスオーバーというか、異なる音楽や文化を組み合わせるのって、聴く人によって受け止め方はいろいろだろうな。ロックの音楽にアイヌの言葉を乗せて主張するというのは、ロックの精神としては正解なんだと思うけど。個人的にはアンビエントな方が好き。アイヌ語分からないし。
ライブが終わると、奥の駐車場へ移動して盆踊り大会が行われた。はじめに子どもの盆踊りが行われたのだけど、悠らりさんは気持ち悪がっていた。札幌にずっと住んでいたので、子どもの甲高い声の歌に合わせて踊るのは当たり前だと思っていたけど、どうやら北海道以外ではちがうらしい。大人用の盆踊りもあるのだと話すと安心していた。確かに、大の大人がこんな歌でみんなで踊っていたらちょっと恐い。
小さい頃から盆踊りには参加しなかったので振り付けが分からない。もちろん、北海盆唄も踊ったことがない。振り付けが分かりそうだったら踊ってみようかとも思ったけど、人によって振りがやステップがちがうので、大人しく豚汁とフライドポテトを買って食べながら踊るのを眺めていた。大人の部は1時間半も続いたけど、みんながんばって踊っていた。商品を狙っているようで、仮装している人たちもいた。鬼太郎とその仲間が子どもたちに人気だった。
盆踊り大会が終わると、ポロチセで交流会が行われた。会場は激混み。複数の大学のゼミ生たちが来ているらしく、それだけでも2、30人。地元の人も当然多いので、5年前の比じゃなかった。発泡酒とつまみを受け取ってから座る。「朝まで行くぞー」みたいな博物館館長の挨拶で始まり、続いてビンゴ大会。確か、前に来たときもやったけど、その時は何も当たらなかった。
くじ運が悪いので、どうせ今度も当たらないと思って期待はしない。先に悠らりさんがビンゴ。商品が
お菓子じゃなくてがっかりしていた。商品は残り3つ。その直後に自分もビンゴ。慌てて残っていた商品の袋を引っ掴み、戻って中を見ると本が入っていた。
アイヌの昔話―ひとつぶのサッチポロ (平凡社ライブラリー)
著者:萱野 茂 |
続いて行われたアームレスリング大会。そういえば、これも前に参加して1回戦であっさり負けたのを覚えてる。きっと、豪華賞品があるにちがいない。自分がエントリーすれば、悠らりさんも女子の部に出てくれるかと思ったら、薄情にもスルー。初めに女子の部が行われたけど、自分もこっちに出た方がよかったんじゃないかと思った。自分よりも逞しい体つきの女の子たちが戦いを繰り広げている。最後は、「チャンプ」と呼ばれていた女の子がチャンピオンになった。男子の部が始まって自分の番がやって来た。当然、瞬殺される。悲しいことに、自分に勝った相手が2回戦であっさり負けていた。大会はずいぶん盛り上がって、結構勝ち残った館長さんまで上半身裸になって闘っていた。5年前にも優勝していた二風谷のチャンピオンは今年いないらしく、それでも地元の人が優勝していた。腕の太さがちがう。まあ、アイヌなんだからチャランケの精神でしょう。議論の方も自信ないけど。
アームレスリング大会が終わると22時をすぎていて、みんな一斉に帰り始めた。悠らりさんも車へ戻って寝るそうなので、寝床の準備に一緒に行く。ポロチセへ戻るのも面倒になって、自分もそのまま寝ることにした。レガシィの後部座席を倒すとフラットになるので、足は少しはみ出るけど、そこそこ寝れた。ただ、朝方暑くて目が覚める。曇っていたせいか気温が下がらず蒸し暑い。
車から降りて、カメラを持って散策に行った。ダム湖の方へ行くと、朝靄が立っていて幻想的だった。といっても、こんな湖はもともとなかったもの。この底を川が普通に流れて、周りで稲作が行われ、チㇷ゚サンケも行われていたと思うと、つくづく国というのは勝手なことをするものだと思う。
車へ戻ると、小腹が空いたので悠らりさんを起して平取のセイコーマートへ朝食を買いに行った。店の中が涼しくて気持ちいい。来る途中に見かけた義経神社へ行って朝食をとった。逃げて来た義経が平取に住んでいたという伝説があるらしいけど、本当だろうか?
二風谷へ帰る途中で展望台へ登ってみた。ダム湖を見下ろす高台にある。見晴しがいいことを考えると、もしかしたらここもアイヌの聖地だったのだろうか。
二風谷へ戻って、博物館が開いていたのでまずは見学してみた。館長さんがいたので見学について話を聞いてみると、前日の弾けていた姿とは一転してまじめな仕事人だった。当たり前だろうけど。何度も見学しているけど、その都度知識が増えているせいか、毎回発見があって面白い。偉そうに悠らりさんに蘊蓄をたれていたけど、学芸員に説明してもらいながら見学する方が初めは分かりやすいかも。
縁結びの石儀式が始まる時間だったので、資料館の方へ移動した。ちょうど始まったところで、暑い中来賓もカムイノミを終えて、自分たちも続いた。前にも1回やったけど、まだ縁結びのご利益がないなぁ。
暑いので資料館を見学してから、ポロチセへ戻った。今度はこの中で儀式と古典舞踊が行われる。でも、こっちも今年はひどく混んでいて、暑さと合わせてしんどいので途中で出てしまった。悠らりさんが木彫体験をするというので、それに着いて行く。
工芸センターではチㇷ゚サンケということで、特別に無料で木彫体験ができるようになっていた。早速頼んでコースターを掘ることにする。木にはアイヌ文様の下書きがあるので、彫刻刀で教えてもらった通りに掘って行く。でも、これが案外難しい。彫刻刀を使ったのは中学校以来。結構、指に力がいるので、滑らかな曲線を彫るのが難しく、ガタガタしてしまう。一通り彫り終わったと思ったら、今度は内側を彫るらしい。作業がより細かくなって神経を使う。彫刻刀にも慣れて来たので少し余裕が出たけど、慣れない作業で腕がパンパンになった。もう一つ作ってみないかと勧められてけど、もうその気力はなかった。木彫自体は面白かったし、できあがったものも下絵があるだけあって、案外それっぽくてよかった。
それからしばらく経って、ようやくチㇷ゚サンケのバスが出る。初めの方に乗って会場へ行き、ライフジャケットを受け取る。本来、ダムの底の聖地で行われていたチㇷ゚サンケ。ダムの下流で行われていたけど、今は雨の増水で川が汚れているらしく、今年はダムのかなり上流で行った。
まちがってカメラを持って来てしまったけど、どうしようもない。早く帰りたい悠らりさんは、アイヌの丸木舟には乗らずに、ひとりでさっさと女子供用の安全な船に乗って下って行ってしまった。
並んで待っていたけど、丸木舟には学生が次々乗り込み、何艘かは転覆。これじゃカメラを持っては乗れないと思っていたら、30分くらい待っただろうか。ようやく一度下った船が運ばれて来たけど、またもや安全な船には乗れず。悠らりさんはもう博物館へ戻って待っているようなので、仕方なく船には乗らないでバスで戻った。チㇷ゚サンケに来て船に乗らないってアホすぎ。家に防水デジカメを忘れて来たのもまずい。何のために買ったんだか。
あまりにショックが大きかったので、温泉にも入らずに平取和牛だけ買って帰ることにした。6月に来たときはたまたまセールで、ステーキ用のリブロースが半額で売っていた。店の人に勧められて買ったリブロースが美味かったけど、今回は売ってない。話を聞いてみると、肉自体は置いてあるので、ステーキ用に切ってもらった。これでお使いも完了。
帰りは平取から内陸を通って下道で帰る。札幌までは1時間半で着いたけど、札幌に入ってからが長い。町中嫌い。
家に帰って早速ステーキ。肉がいいと自宅でもステーキが美味い。ちょっとでも不味いと食べ残すグランマもペロリと残さず食べていた。脂は大好き。まあ、だから頭の血管詰まったんだろうけど。
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