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10/9/12 ニペソツ山2

ナッキーを撮りまくっているうちに、もうすぐ山頂だと勘違いしてしまったのがまずかった。

すっかりナッキーに夢中になっていたけれど、視線を上げると、石狩連峰の陰に少し隠れていた表大雪が全部見渡せるようになっていた。そして、その左に目を移せば、十勝連峰最北端にそびえるオプタテシケ山も見えて来た。これは山頂からの展望は素晴らしいにちがいない。

石狩岳越しの表大雪

オプタテシケ山も見えてくる

大雪山系を一望に

さらに登って行くと、辺り一面にガレ場が広がっていた。あちこちからナキウサギの鳴き声が聞こえる。さすがに、ナキウサギが岩の上で鳴いているのが見えても、撮れる距離ではない。

赤く色付いたウラシマツツジが岩の間を這うように敷き詰めているのを眺めていると、陽射しに照らされて輝く物が動くのが見えた。シマリスのふさふさの尻尾が光って見えたようだ。

紅葉の向こうにシマリスが

ガレ場を通り過ぎて登って行くと、そこが前天狗だった。天狗岳の奥にニペソツ山の雄々しい姿が飛び込んで来た。思わず息を飲む。カッコいい。が、遠い……

前天狗からまだ遠くに

ここまで3時間も登ったのに、まだ天狗岳を越えて、さらにニペソツ山の急登が待っている。利尻山で長官山まで登ったときの再現だった。すっかり精神的に打ち砕かれてしまって、休憩をとった。

幸い、天気がよくて、相変わらずの快晴。青空に突き立つ山頂を眺めてテンションを上げてから、天狗平まで下って行く。

コルから十勝連峰が見渡せる

天狗岳の手前まで下るのが結構しんどかった。下り始めてすぐに右膝というか、脹脛の上の辺りの筋が痛くなる。左脚でかばいながら下りた。泣き言を言っていても始まらないので、痛みを堪えながら進む。なんせ、景色は最高なのだから。

天狗岳を登り切ると、H多さんもいよいよ体力の限界に近づいたようだ。登りは平気な自分も、ニペソツ山へ登るにはコルまで一気に下ってからじゃないとたどり着けないので、気持ちがすっかり萎えてしまう。果たしてピークまで行って無事に戻って来れるのだろうか?足がこの調子では、下手をすると登山口まで戻れないんじゃないだろうか?心配だったけれど、こんなところまで来て引き返す気にはさすがにならなかったので、とにかく気力を振り絞ってピークを目指した。

天狗岳からいよいよニペソツ山へ

歯を食いしばりながら下りて行くうちに、だんだん足の痛みに慣れて来る。突然激痛が走ると足の力が抜けるけれど、そこは気合いで乗り切る。そのうちにピークへ近づき、険しい山容を間近に見ながら登る。

天狗岳を振り返る

山頂へ向けてガレ場をトラバースしているときに、また近くでナキウサギの鳴き声が聞こえて来た。可愛らしい姿で疲れた心と身体を癒してくれる。少しの間登るのを忘れてカメラを向けていた。休みたかっただけでもあるけど。

山頂間近のナキウサギ天国

そして、11時半にようやく登頂。登山口を出発してから5時間半。ほぼコースタイム通りでピークまでたどり着いた。ナキウサギの撮影会をしていた割には早かった。後半、山頂付近にも周りの山々にも雲がかかって来て急いだので、太陽と展望があるうちに登頂できてよかった。360°のパノラマを楽しむことができた。とりあえず、グルッと撮ってみる。

高く青い秋の空

ウペペサンケ山へ続く稜線

大雪山系と十勝連峰を一望

天気がいいうちに一通り写真を撮ったら、腰を下ろして行動食を食べる。水もずいぶん飲んだ。休憩していると、おばちゃんたちが「ニペソツ山も日本百名山に入れたらいいのに」というような話をしていた。冗談じゃない。これ以上迷惑な年寄りが来たらたまったもんじゃない。むしろ、北海道の山を日本百名山からも二百名山、三百名山からも削除してほしいくらいだ。いいと思う人がいればいい山。ということで、「日本百名困ったおばちゃん」に入れておいた。

12時。そろそろ下山開始。これから待ち受けるアップダウンのことを考えただけでゾッとする。でも、帰らないわけにはいかないので、カメラをしまって下り始める。というわけで、この後は1枚も撮らなかった。というか、撮れなかった。

登りは平気だけど、ちょっとした下りでも足が痛い。前天狗へたどり着くと、疲れていたH多さんも残りはほとんど下りだけで何とかなりそうだけど、自分にはその下りがやばい。小天狗へ着いた頃には、左脚まで痛くなって来た。

尾根上の単調な下りが続くと、足を休める暇がない。途中、何度かH多さんとesukiくんに待っていてもらったけど、後続に追い抜かれたところで開き直った。ゆっくり下りれば痛みは小さいけど時間がかかって大変なので、痛みは気合いで何とかしてとにかく早く下りよう。というわけで、二人の後を同じペースで駆け下りる。当然、激痛が走るので、本当に歯を食いしばって下りた。最後はさすがに耐えられなくなって離されてしまったけど、何とか渡渉も終えて16時前には登山口へ戻れた。

こんなに痛い山行は初めてだ。春の暑寒別岳並に疲れた。初スキーの偵察も兼ねてたけど、結局どこを滑ればいいのか分からなかった。

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