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10/9/18 天塩岳

紅葉の時期の連休、表大雪は人で溢れかえりそうなので、人混みを避けて道北の山へ一人で出かけて来た。

前日の夜、20時前に出発して、下道で岩見沢ICまで。単独なので、交通費は少しでもケチりたかった。暗い高速道路を愛別ICまでまっすぐ走り、愛別のセブンイレブンで行動食を購入。社会実験に参加しているので、ちゃんと地方の経済に貢献。

それから、真っ暗な道路を北上し、岩尾内湖の手前で天塩岳の登山口へ向けて右折。そこから舗装された細い道路が長く続き、さらに砂利道の林道に変わってからもずいぶん走った。出発から3時間ほど経ってようやく登山口前のキャンプ場へ到着。ライトに照らされて車が2台停まっているのが分かったけれど、迷惑をかけてはいけないのですぐにエンジンを切った。で、かなり眠いのでシュラフに潜り込むとすぐに寝てしまった。

目覚ましで起きる。車の中でこんなに熟睡したのは初めてかもしれない。5時、窓の外を見ると薄ら明るいけれど、曇っているのが分かる。憂鬱になってひよりそうだったところ、雨がパラパラと振り出し、すぐに土砂降りに変わった。テンションがすっかり下がる。天気予報では午後から晴れるはずだが、雨の中を登る気はない。とりあえず、朝食を食べていると、雨足は弱くなり始めて、やがて雨はあがった。外へ出ようとカギを開けると、盗難防止機能が働いて、けたたましいクラクションの音が静かな山に鳴り響く。焦って解除したけど、もしヒュッテか車で寝たいた人がいたとしたら、相当効果的な目覚ましになっただろう。ごめんなさい。

通りすぎた雨雲

初めは前天塩岳を経由して天塩岳へ登ろうと思ってたけど、天気もよくないし、脚の調子も怪しいので、登らずにひよるかどうか迷った末、新道登山口から最短コースでピークハントすることにした。ヒュッテの前から逃げるように新道登山口へ移動する途中、1台の車とすれ違い、登山口で準備をしている間にも何台かヒュッテへ向かって走りすぎた。

7時に登山口を出発すると、はじめは広い道で、しばらくすると急登が始まった。新道の割にきつい。下山が心配になった。連絡路分岐まで霧雨の中を進む。ピークハントと割り切っているので、展望がないことは気にしなかった。

沢を流れ下る霧

日に照らされて

円山からは雲の中

秋の味覚?

雲の切れ間から円山の斜面が少し染まり始めているのが見えた。円山の山頂へ近づいて来ると、石がゴロゴロと転がっている登山道に変わり、高山の装いになって来た。ウラシマツツジの紅葉も進んでいる。けれども、歩きにくいので、下山が心配になる。

色付き始めた円山の斜面

短い秋のはじまり

赤絨毯

円山山頂付近でようやく他の登山客とすれ違った。カッパを着たじいさんは、「生憎の天気」とがっかりしていた。

円山から一度下ることになるのだけど、山頂直下のガレ場が恐かった。平たい石が転がっていて、それが雨に濡れてよく滑る。一度滑って背中からひっくり返りそうになった。天気がよければナキウサギなんかもいるのだろうか。

さらに進んで行くと、霧の中から三角屋根の建物が現れた。これが避難小屋のようだ。かなり立派。ずっと視界が悪いのでさっさと帰りたい。そのままの勢いでピークを目指す。

霧の中から現れたピーク

円山は円かった
振り返ると円山が。

霧雨と風の中、寒い思いをしながらも、10時にようやく登頂。展望全くなし。みごとにピークハントだけに終わってしまった。春の下見もできなかった。

天塩岳山頂

とりあえず、おにぎりだけ食べて身体が冷える前に下山開始。この下山が大変だった。天塩岳は不思議な山で、まるで誰かがせっせと岩を積み上げてできたような山。植物が生えているのはほんの表面だけで、その下はずっと積み重ねられたような岩でできている。だから、登山道も岩だらけ。しかも、足を乗せると動くので、とても厄介だ。

ハイマツの実をくわえるホシガラス

飛び去るホシガラス

秋の訪れ

そんなわけで、すぐに右膝の裏の痛みが出る。今回は単独だし、他に登山客もいないし、時間にまだまだ余裕もあるのでゆっくり下山した。けれども、連絡路分岐を越えて最後の長い下りに差し掛かると、いよいよ苦しくなって来た。痛くて足が上がらない。右足を引きずるようにして何とか下山した。登山口へ戻ったのは13時すぎ。コースタイム2時間半のところを30分もオーバーしての到着だった。霧雨で靴もびしょびしょだし、登頂は達成したけれども、今度も痛い登山だった。途中で青空も顔を出し、日が差すようにもなったけれど、山頂は雲の中に隠れていたのだろう。

大雪の方向も雲が多い

待ちかねた青空

前天塩岳の山頂は雲の中

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