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10/9/25 緑岳-白雲岳-赤岳

シャトルバスを利用した、日帰り緑岳-白雲岳-赤岳、三色、イタリア、へたれ縦走。なので、ヘタリア縦走。

入山と下山が異なる縦走は実質2回目。芦別岳は旧道と新道で少しちがったけど、さすがに赤岳-黒岳ほど離れてない。

膝の具合がまだよくないので、一度も歩いたことがない緑岳の長いガレ場を下山に使いたくないので、下山後の高原温泉をあきらめて、高原温泉から登って銀泉台へ下りることにした。緑岳へ登ってしまえば、あとはどちらかというと平坦な歩きだけ。白雲岳へ登るには少しアップダウンはあるけれど、調子が悪ければスキップすればいい。高原温泉行きのシャトルバスの始発の時間を調べて、朝3時半に家を出発した。

高速道路を走っているうちに空が白んで来たけど、晴れの天気予報とは異なり、空は薄曇り。でも、よく見ると山並みは見えている。レイクサイトへ着いたときにちょうど銀泉台行きの始発を見送り、急いで準備して高原温泉行きのバスに乗り込んだ。銀泉台行きのシャトルバスとちがって空いている。大雪高原の紅葉がまだ見頃を迎えていないからだろう。高原温泉に着いたら入山届に記入してから早速7時に出発。


高原温泉の裏のあちこちから温泉の湯気が上がっているのは知らなかった。

整備は行き届いているけど意外と急な道を登って行くと、しばらくして視界が開けて大雪高原を見下ろせるようになる。

湯気が上がるヤンベ温泉
湯気が立ち上っているのはヤンベ温泉だろう。


大雪高原の方へ目を凝らすと、紅葉はそれなりにきれいになってきているようだった。

登山道にはずっと雪が積もっているので、足が冷たい。ちょっと休憩しているときに話したおじさんも銀泉台へ縦走するようだ。緑岳へ登っている他の人たちもおそらく縦走するつもりなのだろう。

雪化粧のニペソツ山
雪化粧のニペソツ山がカッコいい。

第一花園は雪原になっていた。緑岳までずっと雪化粧。

雪原の第一花園から


第一花園も真っ白。高曇りの空で輝く太陽は冷たい。

東大雪
紅葉もイマイチ。

大雪高原

緑岳のガレ場を登って行くと、高根ヶ原の向こうにだんだんとトムラウシ山が見えてくる。大雪高原も全体を見下ろせるようになって、沼の姿が分かる。

トムラウシへの道


高原沼?


相変わらず曇っている道東の雲海の奥が明るく輝いている。


大雪高原一望。


ニペソツ山の左に湖のように見えたのは、コルからのぞいた雲だった。

くじらの群れのように
遠く向こうの雲海に浮かぶ稜線は、大会を進むクジラの群れのようだった。

高根ヶ原
いつかは歩いてみたい高根ヶ原。

そして、ついに緑岳登頂。コースタイムより30分早く登れた。途中、ナキウサギの鳴き声が聞こえていたのでチャンスがあれば撮りたかったけど、寒くてそれどころじゃなかった。緑岳山頂からの景色は素晴らしい。大雪の奥座敷と呼ばれるだけあって、旭岳や黒岳とは雰囲気がずいぶんちがう。視線を右に向けると、すぐよこに白雲岳が迫って来る。でも、近いようで遠い。


白雲岳。


白雲岳の手前の丘の上に、避難小屋が建っているのが見える。

初雪庇
さすがに風が吹きさらしだけあって、もう雪庇ができ始めてる。

せっかくここまで来たので、白雲岳へ登っておきたかった。時間に余裕があるし、膝もまだ痛くないので、白雲岳避難小屋を目指して分岐を折れた。すると、この時期、まだ避難小屋へ向かう客は少なく、登山道は雪で埋もれている。たまにズボッと行く。そして、膝に違和感が。いよいよ膝の調子が悪くなって来た。それでも、避難小屋を目指した。

避難小屋は管理人が常駐しているだけあって立派な建物だった。でも、狭いし混んでて泊まれなかったらこの時期悲惨だ。すぐに出発して白雲分岐へ登って行った。途中、避難小屋の方を振り返ると、丘に建つ避難小屋はトムラウシ山の見晴台だった。

膝が痛む右足にできるだけ負担がかからないように登り、ようやく白雲分岐まで到着すると、目の前には御鉢平とその向こうの旭岳が見えてきた。

ここまで来たら、もう白雲岳へ登って帰らないともったいない。膝は痛いが我慢すれば何とかなるだろう。というわけで、また脚を引きずるように登って行ったけど、白雲岳は思いのほか遠かった。よりによって一番奥にピークがあるなんて。しかも、山頂直下は岩だし。そして、山頂へ着くと寒いのなんのって。気温は測らなかったけど、まちがいなく零下だったろう。

御鉢平
裏旭岳はもう滑れる?

極寒の白雲岳から南を眺める


気付けば同じような写真ばっかりだった。

岩を下りるのが一番こたえるので、白雲岳からの下山が辛かった。精神的にも疲労して、貯金はなくなりコースタイム通りになる。腹も減ったので、登山道の脇の岩に座っておにぎりを食べた。ホットシークヮーサーで温まる。

白雲分岐を過ぎて、小泉岳分岐も過ぎ、赤岳へ向けて下っていくと、北大雪の山並みと白い道が現れた。

白い道


赤岳山頂と烏帽子岳も見えてくる。

御鉢平はもう雪景色だ。日差しもなくて寒い。ともかく最後の腹ごしらえ。去年は晴れててよかった。

赤岳からの登山道は、雪が融けていてドロドロだった。さすがに客が多いせいか、緑岳とはずいぶんちがう。とはいえ、登山道が広くて歩きやすくて助かる。右膝を曲げないようにゆっくり第四雪渓を下りる。当然、紅葉は終わっていた。

第四雪渓

急な所を過ぎて、足元に注意しながら歩いてると、突然名前を呼ばれて驚いて顔を上げると、H多さんと悠らりさんだった。ようやくランデブー成功だ。白雲岳避難小屋を目指す二人を恨めしそうに見送り、自分は銀泉台を目指した。

第三雪渓
曇ってるので紅葉もよく分からない。

雲に浮かぶ東大雪
いつのまにか低い雲がかなり広がって、東大雪が雲に浮かんでいた。

凍る神ノ田圃


日差しがあればもう少しきれいだろうけど。

綿毛がほとんど抜け落ちたチングルマがとても寂しそうだった。

脱毛

登山道を下りていくと、毎年恒例の迷惑な団体さんがやって来た。狭い登山道を両側からはさんで休憩。いい加減にしてもらいたい。

迷惑な人たち

しばらく膝を曲げないようにしていたら痛みが軽くなったので、大分歩きやすくなった。もう一踏ん張り、登山口を目指して歩く。15時発のバスに急げば間に合いそうだったけど、ナキウサギが鳴いていたので、出て来るのを少し待っていた。結局遠くからしか眺められなかったけど。

銀泉台

無事に登山口まで戻って、15時半のバスに乗った。心身ともに疲れたので、バスの中では椅子に座っていつの間にか寝ていた。レイクサイトへ着くなり急いで車に乗り込んで、途中、温泉にも入らずに急いで札幌へ帰った。こんな生活とは早くおさらばしたい。白雲岳で泊まりたかった……。まあ、膝がこの調子ならどうせ無理だったけど。

ともかく、ついに念願かなって緑岳も白雲岳も登って、縦走できた。いよいよ来年はトムラウシかな。それまでに鍛えなきゃいけないけど。

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