都民は被災者の傷口に塩を塗ったのか？

石原慎太郎の4選を許した東京都民は、福島第一原発の事故によって避難している被災者に対して、どんな意志を伝えたのだろうか？

計画停電による業界をあげての「電力不足」演出が続く中、地震から2週間後の3月25日に福島県を訪れた石原慎太郎は、わざわざ知事との会談後に自らが「原発推進論者」だと宣言している¹。都民が、本当に東京湾に原発をつくってもいいと、僕は思っていると石原慎太郎が発言し続けていること²を知っていて再び知事に選んだというのなら、その覚悟に潔さを感じなくもない。4期目の石原都政では東京湾原子力発電所の建設を推進し、首都圏の電力工場としての役割から福島県などを解放しようということならば。

さらに、福島第一、第二原発と柏崎刈羽原発の廃炉に伴う経費と放射性核廃棄物の処理まで東京都と東京電力が引き受けるというならば、おそらく東北地方の被災者の中にも都民の選択を支持する人がいるんじゃないだろうか。ゴミはお持ち帰りください。ということだ。

どうせプルサーマルも行うつもりなのだろうから、青森県の六ヶ所村の核燃料再処理工場を利用しなくても済むように、東京湾原発には再処理工場も併設するのがいいだろう。むしろ、高速増殖炉の方がお好みだろうか。もちろん、最終処分場も必要だ。廃炉と再処理で出てくる放射性廃棄物は、夢の島のように東京湾を埋め立てるのに利用するといいだろう。一般ゴミもじゃんじゃんぶち込んでネオ東京が完成すれば、そのうち超能力が使える日本人が生まれるかもしれない。あるいはゴジラか。

1. 国民全体の罪だ…石原知事「天罰」発言（読売新聞）
2. 石原都知事　原発で暴言数々「東京湾につくってもいい」「訳の分からぬ連中が反対」（しんぶん赤旗）