夏山スキー規制

残雪が多い今年、8年前のCafe 三段山でのおしゃべりから、夏山のスキー規制について考えてみた。

8年前の2003年の夏といえば、まだ自分がバックカントリーを始めてすらいないどころか、ちょうど不登校でひきこもっていた頃だ。もちろん、夏山のスキーなんて考えもしなかった。

まあ、そんな黒歴史は置いておいて、ことの発端は、7/25に裏旭の雪渓で滑ったという書き込みだった。雪渓スキーで有名らしい月山スキー場は7月いっぱい営業するようだが、北海道で7月末まで滑れる場所は聞いたことがない、少なくとも自分は。

実際、3年前の同じく7月末に裏旭へ行ったときには登山道にはまだ雪渓が残っていて、スキーさえ持って来ていれば滑れそうな状態だった。得られるものは限りなく少ないけれど。まあ、でも、今なら滑れるだけオッケーだと思ってしまう。

ところが、

登山道上から植生に影響のない程の雪がない限り、立ち入る事はできません。 登山道上以外で植生（土壌も含む）に影響を与える場合は、立ち入ると法に違反しますので環境省のレンジャーへの届出と許可が必要となります。

というルールが存在するらしい。おそらく国立公園だからなのだろう。

でも、少なくともこの時点では、このルールは表大雪だけのローカルルールらしく、科学的な根拠もないものらしい。旭岳では10月でも監視員がうるさいということは知っていたので、ともかくそういう場所なのだろう。

ともあれ、

杓子定規なスキー規制には反対です。しかし、スキーヤーとしては登山道から離れた雪渓へのアプローチは止めましょう

という旦那（当時）さんからのお願いは、現実的なものだと思う。

夏山でスキーを滑る者が少数派であるために、こうした扱いを受けるように思うけれど、むしろ、多数派である一般登山客の方が、環境負荷が高いと思う。夏山でスキーを滑る変態なんてごく少数だ。それに引き換え、日本百名山（笑）登頂目指して何千と押し寄せる中高年その他の方が、旭岳の自然環境に大きなダメージを与えているのは考えるまでもない。姿見の池の遊歩道に至っては、登山道の比じゃないだろう。

そもそも、夏山シーズンに旭岳へ登ったことがある人間なら、どこが登山道かも分からないような火山礫地の山肌だと知ってるはずだ。だからこそ、道迷いが多い場所でもある。登山道の両脇にびっしりと高山植物が群生しているなら、そりゃあ一歩たりともはみ出ないようにと気は使うけれど、裏旭なんかは見た目にはほとんど何も生えてない。登山道とそれ以外の区別すらつかないほどだ。

だいたい、熊なんかそこら辺を好きなように歩き回って、高山植物を食っても文句言われないじゃないか。盗掘する人間は殺してもいいと思うが、もっぱら少数派という理由だけで夏山からスキーを排除しようとしてるように思える。

夏山でスキーを滑る変態なんて熊並みに少数派なんだから、いっそ熊と同じ扱いにして欲しい。北海道じゃ、その昔、熊はシャケを背負ってスキーを滑っていた。もう、最後の手段は熊の着ぐるみだな。