万計山荘の夜
星空の下、山小屋の夜が過ぎて行く。
まずはビールと枝豆で一服してから、夕食にジンギスカン。ジンギスカン鍋で千春沢を思い出した。やっぱり山で焼肉するのはいい。ただ、2階に泊まる人がいるので炭火焼肉は自粛だった。
3人で食いまくった後は、酒を飲みながらMacBookで上映会。個人的には、これがなければ始まらない。オフシーズンの一番の楽しみだ。YouTubeへアップした動画の音楽付き長尺版とクラッシュ・オブ・ザ・イヤー2011、他にはクラウン検定など某チャンネルから落としてあった動画、END OF THE LINEのチャプター2、三段山DVDを上映した。GEKPOWさんは、遊びに来た山岳部の生徒を早期教育してBCへ勧誘していた。
必然的に長尺版の1/3以上がesukiくんになってしまったので、これから編集方針を再検討しなくては。今回は自分が滑っている映像を入れなかったけど、どうするかまだ決めてないし。撮影から編集まで自分でやったものが自分の作品だと考えるなら、自分が撮影した映像に限定した方がいいけど、それを言ったらサウンドトラックまで自分で作らなきゃいけなくなる。完全オリジナルを目指すよりコラボレーションと思えば、撮影で協力してもいいだろう。才能ないとどうしようもないな。
クラッシュ・オブ・ザ・イヤー2011はシーン不足で盛り上がらない。編集でイントロはそれっぽく誤摩化したつもりだけど、肝心のクラッシュシーンが物足りない。今後素材を回収しなくては。
END OF THE LINEはなぜかパクりの方が人気があったようで、用意していなかったのは失敗だった。これはやっぱり全員分のパクり動画を制作しておいた方が良さそうだ。もちろん、私的使用に限られるけど。
後半は三段山DVDを1999年の映像から順に上映した。10年以上も前から山で滑って撮影して映像を編集していたなんて、つくづくすごいと思う。初期の作品には石橋仁を含め、商業作品にも出演しているようなテレマーカーが出ていて、三段山クラブのテレマーク界への影響力の強さが伺い知れる。また、映像を観ていると、年を追う毎にみるみる板が太く滑りが激しくなっていくのが分かって面白い。逆に、自分が何となくテレマークも滑れるようになったのは、やっぱり道具のおかげだと思った。
先生と話していると、春に黒岳石室で一緒に泊まった若いグループが、北鎮岳へ滑りに行っていたらしい。そして、そのグループとは次の週に白雲岳避難小屋でも会ったと話していた。どうもそのグループって岩本山岳会っぽい気がする。最近、GEKPOWさんもネットで沢を検索するとよく出て来るらしくて、内容も面白いそうだ。露出度上昇中のようだ。
三段山2003を観ている途中でGEKPOWさんが鼾をかき始めたので、三段山2004は次の機会にして寝ることにした。でも、迷った。このまま寝てしまっていいのだろうか。わざわざ星景写真を撮る準備をして来たのに。
酔っぱらってぼーっとしながらも、カメラと三脚、リモートタイマーなどを持って万計沼の方まで歩いて行くと、暗さに目が慣れてから見上げた空にはたくさんの星が輝いていた。薄い雲はかかっていたけれど、試してみても良さそうだ。
適当にフォーカスを合わせてから、何度か撮影して露出を調節。ISO感度を1600、絞りを4.0、シャッタースピードを15秒でようやく星空がそれっぽく写ったので、タイマーを30秒インターバル撮影に設定したままカメラを放置して、小屋に戻ってさっさと寝た。
朝、4時前に目が覚めると外はもう明るくなって来ていたので、眠いのを我慢してカメラを回収しに行くと、CFカードがいっぱいになっていた。慌ててプレビューしてみると、最後に撮影した写真はほとんど星が写っていない。曇ったのかと思ったら、レンズに大量の水滴が付いているのに気付いて、夜露にやられたのだと分かった。やっぱりカイロとかで対策しないとダメそうだ。
かなりショックを受けて、小屋に戻って寝袋の中でしばらく撮影されていた写真をプレビューしてみると、1時間ほどは夜露の影響を受けずに撮影できていたのでホッとした。物理的にフェードアウトしたと思うことにする。
一旦二度寝してから、山岳部が起きて騒がしくなったところでまた起きた。藻ーリスさんはもう起きていて、コーヒーをいれてくれた。まさか山でも朝にコーヒーが飲めるとは思ってなかったのでうれしい。
風が全くなくて万計沼の水面が鏡のようにきれいだったので、撮影しに外をまたブラブラしてみた。ところが、なんといっても蚊が多い。カッパを着て行って正解だった。それでもカメラを操作している最中に顔を刺された。悔しい。
小屋へ戻るとGEKPOWさんが朝食のうどんを用意してくれていた。もう至れり尽くせり。山ガールじゃなくても大喜び。
食べた後はみんなで小屋の掃除。山岳部の生徒はよく働くのなんのって、自分の高校時代からは想像もつかない。先生の指導が効いているのかな。
そのうち小屋の前が賑やかになったと思ったら、薪割り体験が始まっていた。生徒たちは楽しんでいるようだったので、大人らしく後ろで見物していた。せっかくなので、薪割りの様子をハイスピードムービーで撮影して、みんなのフォームをチェックしてみた。両足の向きやスタンス、斧の持ち方や振り下ろし方などは人それぞれで、そもそも正しいフォームがよく分からなかった。藻ーリスさんが足はテレマークと同じだと言っていたけど、薪割りしなかった自分にはイマイチよく分からなかった。
微速度動画にすれば星景写真も一応観れる程度にはなった気がする。
ダラダラしているうちに昼食の時間になったので、GEKPOWさんが朝の残りでまたうどんを作ってくれた。食べていると、何やら生徒が先生に叱られているのが聞こえて来る。う〜ん、何とも居心地が悪い。自分は意地悪はするけど叱るのは苦手なので、生徒がかわいそうに思えて辛かった。
昼を過ぎるとだんだん曇って来て、予報通り雨が降りそうな気配だった。13時に山岳部が帰るときにちょうど雨が降って来た。ちゃっかり当番に交じってお別れした。
片付けをちょっとだけ手伝って、15時前には万計山荘を出発して帰った。なんだかんだで疲れと寝不足で、真駒内のあたりでは助手席で睡魔と戦っていた。無事に自宅まで送り届けてもらい、初めての万計山荘での一晩が終わった。いろいろな出会いもあり楽しかったけれど、あちこち蚊に食われたのはうんざりだった。どうせ登山するならやっぱり蚊がいない山へ行きたいと思った。雪山最高だ。早く雪積もんないかな。
| 固定リンク | 0
コメント