11/12/17 羊蹄山

ミクと二人っきりで墓地の沢を滑って来た。

幸か不幸かこのブログ「ただ乗り!!」の知名度が上がったようなので、もうはっきりと書いてしまおう。実は、この日かなり怒っていた。改めてGoProで撮った自分の滑りの動画を見て、再び怒りが込み上げて来た。

というのは、映像の中で滑り出してから何度も横切る登りトレースのおそらくどれも自分のものじゃないからだ。標高700mくらいだろうか、伐採地を抜けたあたりでやっちくんの後輩たちが追い越して行ったので、せっかくだからしばらくラッセルしてもらったけど、ちょこちょこルートを確認して休みながら登っているので、後にいるとペースが乱れる。だから、追い越して最後のオープン斜面の下端に出て、そこから下からぐるっと迂回して東側に周り、滑る斜面をチェックしながら登って行った。

彼らはピークへ登ってから、神社の沢を滑り降りると言うから、自分の後を着いて来るか、そのまままっすぐ登って行くと思った。実際、しばらくはまっすぐピークへ向けて登っていたけど、気が付いたら自分の方へ寄って来てた。滑るためにノートラックで残しておいた斜面にトレースを付けながら。

こっちは墓地の沢を滑ると伝えている。自分たちが滑らないから、こっちが滑る斜面を気にせずに登ったのだろうか。彼らはこっちのトレースを適当に繋ぎながら好きなように登っていた。いったい何のためにオープン斜面をぐるっと迂回して登ったか分からない。頭に来ていたので、二人に負けじとミクと一緒にかなり直登気味で長い休憩はとらずに標高1200mくらいまで一気に登った。

さすがに疲れたので、追い越してピークを目指して登って行く二人に気を付けるようにだけ声をかけ、まあ、そこは大人なので、これからがんばってピークまで登ろうという人たちを怒ったりはしない。で、滑る仕度をしてピットチェックをする。練習とデータ収集のために。シャベルコンプレッションではこの間の朝里岳と同じような深さに肩の弱層。本当に同じ弱層だったら面白い。ハンドテストをしようと円柱を掘ろうとしたら、その弱層で途中で折れてしまい、心も折れた。GoProで撮ってたけど、映像までサーモグラフィーみたいになってた。たまにバグる。

滑って帰ろうと思ったら、3人パーティーがすぐ下までやってきて休憩をとっていた。準備体操をしていると彼らは登って来て、すれ違い様挨拶を交わす。ラッセルのお礼をされた。お礼ならミクに言ってくれ。彼らがオープン斜面にさらにトレースを残したとは思いたくない。少なくとも、バックカントリーで滑ってるなら、自分の登りトレースに意図を感じるはずだ。

まあ、でも、滑るときは怒りを忘れて、ミクと二人きりだからこそできる超ロングランにテンションが上がっていたので、何度も横切った登りトレースも斜面の起伏程度にしか感じず、そもそも滑りがしょぼいし筋力が続かないので、転ばず滑り降りるだけで精一杯だった。

でも、やっぱり映像を見返すとがっかりする。どうしてわざわざオープン斜面を汚して登るのか。山をどう登っても自由だとは思う。だけど、自分が滑らない斜面だからといって、こっちがわざわざきれいなまま残して登っているのに、好きなように登って汚して、おまけにこっちのトレースをつまみ食いしながら登って行くのはさすがに許せなかった。

こんなこともあるから、メジャーな山には行きたくない。いつも大抵何かしら不愉快な思いをする。もちろん、こっちがそう思われ場合もあるだろうけど、だからこそ自分たちだけの斜面を開拓したいと思うようになった。この日だって、最近、羊蹄山にはトレース泥棒でひどいライオンとかっていうガイド会社が来るようになったと聞いていたので、5時半の真っ暗な札幌を出発して、7時半には登り始めた。にもかかわらずこの様だ。

こんなしょーもないブログを読んでいる人もそれなりにいるみたいだから、バックカントリーで滑るときに何を考えて登るかについての参考にして欲しい。苦労して登るんだから、最高の滑りのために最大限の注意を払うべきだ。雪崩リクスマネジメントも含めて。

内容的に叩かれそうな要素が満載だけど、バックカントリーを滑るパウダージャンキーなら分かってくれるんじゃないだろうか。BCでは環境保全が大事だ。