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岡本太郎と痛板

きっとこの言葉を意識していたから、自分の痛板のデザインが好評だったんだと思う。

ほぼ日の糸井重里とジミー大西の対談にもあるけれど、以前、テレビで何か特集番組を観て、岡本太郎がジミー大西へ「キャンバスからはみ出せ」という言葉を贈ったことを知った。そして、なるほどと。

デザイン指導のモグさんからも、スキー板というキャンバスから初音ミクがはみ出しているのがいいと褒められた。自分の意図が伝わったことが素直に嬉しかったし、そういう印象を見た人に実際に与えていたことも嬉しい。そもそも、板に貼った初音ミクの絵自体が自分で描いたものじゃないのに、あたかも自分でデザインしたかのように言うのもなんだけど、配置だけで印象が変わるのは確かなようだ。

ドロップ前の記念撮影

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ボードとちがって細いスキーでは、必然的にはみ出す領域は広くなる。かといって、元の画像をできるだけそのまま使おうとすれば、それだけ全体が小さくなりキャラクターのインパクトは弱くなってしまう。自分で描けないという制約があるからこそ、素材をどう配置するかで初めはかなり悩んだ。大まかなデザインの方針は決まっていたけど、細かい調整が意外と難しく、大きさや角度をこまめに調整してポイントを絞る。

もちろん、単純に考えれば全身が見えるようにしたいけれど、板の形状を考えればどうしても無理だ。だから、取捨選択してどこをアピールするのかということになる。自分の場合、板のトップシートを背景に利用したことで耐久性に問題が出そうなヘッドセットは、板の隙間に隠れるように配置して削除してしまった。

一方、ツインテールはネタとしても強調したい部分だったので、結果的には髪型を知っている人じゃないと混乱していたみたいだけど、デザイン上の都合で板のテール側、本体からバラしたツインテールの先の方が実は身体の部分より拡大率が大きい。それと、胸まではちゃんと入れたかった。貧乳も外せないポイントだと思ってたから。

はみ出した部分は見る人の想像力に任せて、板にはしっかりと自分の萌え要素を配置する。ボードよりもデザイン的制約が多いスキーの痛板では、これが有効なデザインコンセプトの一つだと思っている。ある意味、写真と同じだろう。フレームに何を収め、フレームの外に何を想像させるか。

正直言って、最初の痛板で相当気合いを入れてデザインを考えすぎたので、作り直すときにいいアイデアが浮かぶ気がしない。自分で描くくらいに根本的に作り方自体を変えてしまうくらいじゃないと、もう思考が「キャンバスからはみ出せ」ない気がする。

ちなみに、素材画像の解像度が低いことも結果的には自然に見えていいという評価があった。必ずしも輪郭がはっきりくっきりしていればいいというわけじゃないようだ。高解像度の画像使いたさに気に入った画像を使うことをつい諦めてしまいケースがありそうだけど、拡大ツールの利用も含めて、まずは普通紙くらいにドラフト印刷して試してみるといいかもしれない。

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