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あっという間の50分間

数年ぶりにようやくリリースしたiconシリーズの新作、「icon 7」の完成上映会へ行って来た。

前作の「icon 6」がリリースされたときは、モエレ沼公園のガラスのピラミッドで開かれた上映会へ行った。自分で初めて買った「icon 4」から、「icon 5」、「icon 6」と回を重ねるごとにまったりして行き、いよいよもういいかなと思った。それとともに、hconを制作する計画も忘れ去られる。一応、それまでの映像を全て再編集して1枚のDVDにまとめた「prologue of hcon」は作ったけど、iconをパクる意欲がなくなった。

その後、「END OF THE LINE」がリリースされたので、また上映会へ行った。ヤーマン監督による佐々木大輔ドキュメントで、iconシリーズとは雰囲気が異なる作品で刺激を受けて、「ENDO ON THE LINE」というタイトルでパクってみた。

さらに2年後、「Persona」という作品がリリースされた。このときもちゃんと上映会へ行ったけど、今度は「END OF THE LINE」の短編を組み合わせたようなドキュメンタリーで、パクりたくてもインタビューを受けてくれる人がいなくてパクること自体を断念した。お手上げだった。

このように、ebis filmsから新作がリリースされるたびに強い刺激を受けて来た。そして、今度の最新作「icon 7」は、今回は"icon"的な"icon"でマンネリを目指すということで、副題なしの「icon 7」です。とあるだけあって、原点回帰したような作品を前にして見事に再びiconシリーズに引きつけられた。

当日、席取りが必要だと聞いて開場前に到着したので、「いつものメンバー」とまずは合流。浅川さんの奥さんに紹介してもらったら、なんと痛板のことを知ってるそうでうれしかった。浅川さんもあいさつしたとき覚えてくれてたので、みんなの協力もあったおかげで、着実にVector Glideに痛板が浸透しつつあるような実感が得られた。

開演前に読み終わった
もうすぐ開演。

バンフの紹介の後に始まったicon 7は、シーズンイン直前にまだかまだかと待ちわびているパウダーの映像。ツリーランからスティープな斜面まで、「iconスピード」と呼ばれる?独特のフレームレートで再生される滑りの映像が、パウダーの浮遊感を増幅しているように感じる。

浅川さんの鋭い滑りをスクリーンで目にして思わずうなる。急斜面でのハイスピードでのターンの切り返しがすごい。このタイミングしかないというような一瞬を逃さずに切り返しているように見えた。こんなターンは絶対無理だけど、封印をやぶってアルペンでも滑ってみたいと思わせる滑りだった。

タケさんの滑りはますます魅せる滑りになったように感じた。カメラの前で絶妙なタイミングでターンする。滑ってる本人が気持ちいいかどうかは分からないけど、撮り手視点だときっと大喜びしそうなラインで滑っていて、さすがプロだと思った。

滑りの映像が多いなか、中間の石橋仁さんのパートはロードムービ的で、ちょっと息をついて彼のコラムを読んでいるような気分になって面白かった。Persona同様に今回も激しい滑りが出ていたわけではないけれど、テレマークらしい雰囲気がよかった。

三浦敬三さんのパートがあるとチラッと聞いて気になっていたけど、こっちは拍子抜けだった。「黒いシュプール」という敬三さんの写真へのオマージュと説明があっただろうか。はっきり覚えていないけど、陽射しで真っ白に輝いているフィルムクラストに残る描かれるシュプールが黒く見えて、モノクロのように見える映像なのだけど、これはたぶんWHITE FILM Vol. 2で何度も見ている気がするので新鮮味を感じなかった。敬三さんの写真についての解説などがあれば、またちがったのかもしれないけど。

WHITE FILM vol.2 from VECTOR GLIDE on Vimeo.

最後の最後で若干肩すかしを食らったような感じだったけど、パウダーの映像はテンションを上げるのに十分だった。BCで滑れるようになるにはまだ1ヵ月以上もあるのに困った。

そんな映像の余韻に浸りながらicon 7について話そうということで10人を超えるメンバーで集まり飲み会。酒の勢いを借りて偉そうに語ってしまったような気がする。人数が多くて奥の小上がりだったので、うるさい大学生の隣で無駄に声も大きくなっていた。初めて会った人とは道具や滑りのスタイル、考え方についてお互いに話してみる。やっぱりいきなり雪の上で会うよりも安心だ。顔をあわせて話してダメだと思えば、「今度一緒に滑りましょう!」って別れてそのまま連絡しなければいいだけだ。

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