ターゲットは富裕層
講演を聴いて、どんなにパウダーが好きでも、どんなに太い板に乗ってても、お金がない浮遊層にはトマムのヘリキャットツアーには参加できないと思った。
ニセコの新谷さん、カムイの前田さんに引き続き、北海道ツリーランコースガイド第3弾は、トマムの玉井さん。UPLNDのスペシャルイベントへ参加しに行った。
トマムでヘリ・キャットツアーを担当している玉井さんは、JANのLevel1も修了していて、ツアー前日のピットチェックの結果を雪の掲示板に投稿しているということだった。貧乏なのでガイドツアーに縁がないし、ヘリ・キャットツアーにもなおさら縁がないけど、話を聴くくらいならいいだろう。ただだし。
キャットツアーはトマムの他にもニセコワイスや北大雪でもやってるけど、どちらのスキー場跡を利用するのではなく、自然の山を利用しているのはトマムだけなのらしい。といっても、スキー場跡ではないだけで、話を聞いていると滑っているのは実は皆伐跡のようなので、自然の山とは言い難い。道路から見えるところは木が生い茂っていても、ひと山越えると伐採のための林道が網の目のように伸びていて、そこをキャットが通れるようにしているそうだ。だからといってどこでもツアーができるわけではなく、スキー場と同じ許可を得て運営してるらしい。つまり、リフトがないスキー場ということ。
ノートラックを滑れるように、営業するのは土日だけ。土日で滑る斜面を変えるので、土日どちらでもノートラックが滑れるそうだ。客が上級者ばかりのときは、キャットツアーで10本は滑れると聞いたけど、木に衝突する客もいるらしい。ただ、ガイドが2人同行して、他にも昼食のテントなどにさらに2人ガイドがいるらしく、非常時への対応は思ったより重視していた。
ただし、雪崩への対策は不安が残る。シャベル、プローブ、ビーコンはレンタルしていて、特に、ビーコンはすべて同じモデルをレンタルするらしい。操作を間違わないようにパーティーで統一するためと聞いた。
けれど、客にもレスキューに参加してもらうというのはどうなんだろうか。特に、使い慣れた自分の道具ではなく、レンタルしたビーコンでどれだけレスキューの役に立つだろう。まして、ビーコンを使ったことがない人に口頭のレクチャーだけでレスキューに参加してもらうというのは、現実的ではないと思った。
自分のビーコンで訓練を受けていたって、本番ではパニックに陥ることだってあるのだから。このあたりは、2010年に死亡事故を起したノマドでも相変わらずビーコンのレンタルを行っているようだし、バックカントリーツアーの大きな問題だと思う。「レンタル禁止。忘れたら参加を断る。」くらいでいいと思う。
現在、これまでより斜度が急なコースを準備しているそうで、ツアー自体は順調に進んでいるようだ。プロスキーヤーとのセッションを売りにしたツアーもやっていて、セレブには魅力的なツアーかもしれない。リフト片道1,000円払うのももったいないと思っている自分のような貧乏人には、到底縁がない遊びだとは思ったけれど、富裕層になれたら一度は行ってみたい。
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