13/2/16 ASAcamp
ついに待ちに待ったASAcampの日がやって来た。
以前から何度か聞いていた、元祖Asaさんこと浅川誠さんのASAcamp。藻ーリスさんは参加したことがあるそうだけど、参加したくても申し込みルートによっては選抜に通らないとダメだとか、いろいろと噂のあるツアー。masaxはこのツアーに参加するためだけにMAKE bcにATビンディングを付けて買ったらしいし、何やら相当ハードなツアーだと思ってた。
みんなが参加したがるのだからきっと楽しいにちがいない。図々しくタナカズさんに東川バフンで参加させてもらえるようにお願いし、VUCの参加を断るときにも浅川さんにお願いしていた。これだけ頼んでダメならあきらめようと思っていたら、村長経由でお誘いがかかった。どうやら選抜にも通ったらしい。
ただ、浅川さんには「H本さんのアルペンが見たい」と言われていたので、板をどうしようかとても迷っていた。あの浅川さんにそんな風に言われたら、せっかくのASAcampなのだから、アルペンで行かなきゃいけないような気がしていた。そのときの浅川さんは相当酔っぱらってたけど。
そんなわけで、masaxもアルペンだし、ASAcampへはアルペンで行こうと思ってた。ところが、自分が持ってるアルペン板はもうディアミールが付いたGotamaしかない。Pontoonは本家Asaさんに譲ってPon痛oonとして澪ちゃんに生まれ変わってしまっている。そこで、思い切ってAsaさんにお願いしてみると、なんと嫁を借りれることになった!
ASAcamp本番前にゲレンデとBCで乗ってみて調整は済ませたけれど、その結果、アルペンはテレよりもつまらないという結論に達した。パウダーを最大限に気持ちよく滑れると自分で思っているターンができずに、スピードばかり出てあっという間にボトムに着いてしまう。テレマークの方がずっとBCを楽しめると思った。
さらに、ASAcampにはカメラマンの小橋城さんも同行してフォトセッションしてくれるらしい。これはミクをプロカメラマンに撮ってもらうチャンス!もう心は決まり、一応メンバーに相談した上でテレで行くことに決めた。タナカズさんだってテレだから問題ないはずだ。浅川さんには悪いけど。
そんな葛藤を経て、車にはミクを乗せて一路旭川を目指すことになった。久しぶりの遠征で朝が辛い。秀岳荘旭川店に7時半集合なので、結局4時に起きた。慌てて荷物を車に積み込みなんとか5時すぎには吹雪の札幌を出発。小樽方面は通行止めで心配したけど、札幌JCTから高速道路に乗って一気に北上して行くと、だんだんと天気が良くなって来る。旭川へ着く頃には札幌の吹雪が嘘のような穏やかさ。
7時には旭川に着いたので、まずはすき家で朝カレーを食べた。温泉たまごがルーカレーにも合うと初めて知った。
行動食を買ってから秀岳荘へ行くと、メンバーの車が続々と集まって来た。会ったことがない人がいて誰だろうと思っていたら、実はその人が城さんだった。荷物をまとめて車3台で山へと向かう。
浅川さんのシークレットなので、情報はほとんど何ももらってない。気づいたら幌加内のスキー場が見える道の駅でトイレタイム。
車に乗ってさらに進むとアラスカのような山並みが見える道路で停車。アラスカに行ったことはないけど。二度目に停車したときにまた撮影タイムかと思ってたら、実はここから入山するらしい。天気は最高にいいけれど、寒い中急いで仕度を済ませた。
浅川さんがビーコンチェックをしてから、メンバーをずっとラッセルして導いてくれる。沢と尾根が複雑に入り組んだ地形の中を、新雪の上にまるで道が見えているかのように浅川さんは進んで行く。村長が出発直後にアウターシェルを忘れたのはご愛嬌だったけど、青空の下、みんなで楽しく最初の滑走ポイントまでたどり着いた。
フォトセッションを行うので城さんは撮影ポイントへ移動して下からドロップポイントにいる浅川さんへ連絡を送る。斜面をどうメンバーで分けるかラインの説明を浅川さんから受ける。滑る順番に指示を受けながら、合図でドロップ。自分の番が来て指示を聞くと、細い木の間を抜けて、奥の太い木の右側を滑り降りることになった。合図で滑り降りたけど、大雑把に頭にラインを思い浮かべてあとは適当に気持ちよく滑った。城さんの位置からミクが写らないのは残念だけど、気持ちいい1本だった。結果的に、直前のタナカズさんのラインともその前の村長のラインともきれいにそろっていて面白かった。
一方、残った斜面を自由に滑りたいからと最後に滑ったmasaxは、稜線越しに青空が見える一番のラインを豪快に滑り降りてみんなから歓声が上がる。体力を温存するために滑らずに上に残っていたべすもさんも、みんなから「滑ろ、滑ろ」と催促されて、これまたいい滑りを見せてくれた。サングラスをかけてビーニーの上にヘルメット、ベンチレーション全開という姿がみんなから残念がられたけど、羨ましくなる滑りだった。
みんなで登り返してからさらに奥にある、この日のメインの斜面を目指して進んで行く。天気は相変わらずの青空で風もなく穏やか。まさに、The Dayだった。テレマークに最適な中斜面を右手に見ながら進み、メインの斜面の正面に出た。急斜面の真ん中にクラックが入っている。全員がクラックを避けて滑るには、斜面が狭すぎるようだ。残念ながら、今回は斜面を眺めるだけで滑るのは断念。テレマーク斜面を滑ることになった。
こっちの斜面も上部にクラックが入っている。城さんが対面に移動してカメラを構え、また浅川さんのラインの指示に従ってドロップする。先に滑っている人の様子をみると、陽射しで表面の雪が融けて重くなって滑りづらそうだ。今度は最後に滑らせてもらい、一番長いラインを大回りで滑り降りた。といっても、スピードが出ないのでほとんど直滑降。途中でコントロールを失うし、イマイチな滑りになった。
その対面が予想以上に雪が良かったので、登り返して滑ることになった。疎林の中に点在する木々を目印に浅川さんから指示を受けてみんな滑った。カメラの前でいい滑りが生まれるとみんなから歓声が上がる。今度も最後になり、浅川さんからの指示を聞くと、結構厳しい。細い木をすり抜けて、大きな木の右からオープンに出て、そこを自由に使う。城さんの位置も上から見えていたので、オープンに左ターンで入ってミクが写るように滑ることが求められていることは何となく想像できた。ただ、ラインのイメージはできてもその通り滑れるかどうかは自分の技術次第。
合図を受けて不安なまま滑り出して、細い木のすれすれを通り過ぎようとしたら、案の定、後足が木にぶつかって体勢を崩す。リカバリーしようとしたけど、敢えなく転倒、前転。フォトセッションで思いっきりカメラの前で転けてしまった。体勢を整えて慌てて滑り始めたもののすでに失速していて撮影どころじゃなかった。がっかり。最後の最後で上下で雪質が大きく変化する厳しい斜面を滑り、そこは汚名返上とばかりにがんばったけど、もちろんカメラはない。
下山は絶妙だった。「ここを通らなければ登りになる」というような針に糸を通すような浅川さんのルートファインディングで、車まで一度も長い登りもなく帰ることができた。頭に地形が入っているそうで、入り組んだ地形を行きも帰りもラッセルしながら連れて行ってくれた。天気も最高だったけど、浅川さんのガイディングに心から感謝。
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