「生あずさ」
アバランチナイト2015の参加者の一人が初めて見たと喜んでいた。
アバランチナイトにはもう何度か参加してるけど、出川さんを見たのは少なくとも自分も初めてだった。名前が名前だけに女性だと勘違いしている人も少なくないと聞くし、かつては出川さんのものと噂された毒舌Twitterアカウントもあったり、バックカントリー業界ではかなり得体の知れない人物として認識されているような気がしないでもない。幸い、面が割れていないようだったので、つらっと受付を済ます。
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まあ、そんなことはともかく、短い休憩をはさんで2時間のセミナーをたった一人で喋り続けるエネルギーはさすがだった。前半、かなり気持ちよく寝ていたせいで、撮影していたボーダーが雪崩に巻き込まれる映像を見逃したのはともかく、後半の事故事例からは話に聞き入った。
セミナーの中でいくつか印象に残ったことは、まず雪崩事故での死因について。死因の多くは窒息であるものの、外傷により気絶して窒息を引き起こすケースがある。アバランチエアバッグは外傷から守ってくれるわけではない。ヘルメットがなければ即死という事故事例が少なくない。全体として外傷について強調していたように感じた。ヘルメットを着用するだけで被害を小さくできるのだから、やるに越したことはない。音が聞こえづらくなるとかのデメリットより、リスク軽減を優先。
最後のまとめは
- 不確実性
- 被害者非難
- グローバル
- 行政…
みたいな感じだっただろうか。被害者非難は、2ちゃんねるはいつものことだけど、他所でもあるようだ。「お前が言うな」と言われそうだけどw
最近は外人が日本のバックカントリーへ滑りに来ているので、被害者非難までグローバルになるという忠告も。Level1とかをやってるJANとしては、ここら辺はシビアなようだ。
事故が大きいと行政が安全側に動いて、規制強化へ進むことを懸念していた。これは2年前のバフンで大西さんからネットツアーの事故の危険性について話してもらった内容にも通じる気がする。事故はできるだけ小さく済ます。もちろん、起こさないように気をつけなきゃいけないけど。
立山なんかを例に、人気エリアのリスクについて触れていた点も興味深い。北海道の「人気エリア」であるニセコにへは、以前から危険を感じてほとんど行かなくなった。他のパーティーが誘発した雪崩に巻き込まれるリスクを冒してまで、「人気エリア」で滑るメリットはない。バックカントリーでくらい、落ち着いて滑りたい。
そんなこんなで、いい復習になった2時間。スタッフのみなさん、おつかれさまでした。
会場には知り合いもたくさん来ていたけど、アバランチナイトへ初めて参加する人はさらにたくさんいた。初々しく見えるという感想もあったけど、個人的には「たかが遊びで死ぬ覚悟はあるか?」と自分に問うて欲しい。
分かりやすい例で言い換えると、「ゲーム内で死ぬと現実世界でも死ぬVRMMOのRPGに参加できるか?」ということだ。バックカントリーで非日常を楽しむのは一見すると簡単だが、死ぬのは自分とは限らない。親友や恋人が死ぬ可能性も想像してないなら、バックカントリーで滑るのはオススメしない。
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