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15/3/21 チセヌプリ

今年もHY-KROTSに泊まって優雅な週末を過ごすことができた。

2年前に初めて泊まったHY-KROTS。そのときは2月の連休でとても混んでいたけれど、去年泊まった3月には雪山からスキー客は離れ、自分たちだけでロッジを貸し切り状態。オーナー夫妻との団欒を楽しむ素敵な一晩を過ごせた。自分の親と同世代の二人だけれど、どちらも元気にスキーを嗜んでいる。「来年は一緒に」と別れたのが1年前。そして、今年はオーナーのカズさんと一緒に滑る機会に恵まれた。

雪が降っていないことは分かっていたし、気持ちもすでに春モード。札幌を7時前に出発して、赤井川を抜けてHY-KROTSへ向かう。トンネルを抜けると羊蹄山が目に飛び込んできた。予報通り天気は良さそうだ。きっと暑くなるだろう。青空の下をニセコ連峰を眺めながら走り、9時すぎには到着した。

駐車場には久しぶりに見るTakuさんの車。Satoさんと4人でロッジへ向かうと、カズさんとハルミさんが顔を見せてくれたので、1年ぶりの再会に喜んだ。行き先は決めていなかったけれど、すぐにチセヌプリの駐車場へ向かうことに決まる。とりあえず、着替えを済ませてからコーヒーをいただきながら一息つく。

最初CDかFMかと思っていたのは、実は生演奏だった。有名なヴァイオリニストがチャリティーコンサートをやるとかで、その伴奏のピアニストがロッジのピアノで練習していたようだ。山行の朝にピアノの生演奏を聴きながらコーヒーを飲んで打ち合わせなんて、春らしく優雅なことだ。

チセヌプリの駐車場へ着くとほとんど満車。なんとか3台停めれたので、早速準備を始める。10時前に出発して、旧スキー場コースを登る。春の陽気のせいか、先行パーティーもチャラい感じだ。空身でスノーシューの女がいるのは、男かガイドがボードを担いでいるからだった。バックカントリーブームだなぁ。

スキー場が営業していた頃はリフト降り場からのルートをよく歩いていたけど、今回久しぶりにやって来た。山岳スキーレーサーっぽい男女二人が自分たちの横を駆け抜けていく。元気だなぁ。

休憩を終えるとピークまではひたすら急登。板が太いので直登で高度を稼ぐと羊蹄山までニセコ連峰がくっきりと見えるようになった。天気に恵まれた。暑いけど。

チセのピークは1年ぶり。吹雪いていると撮る気もしない記念写真も今日はのんびりと。

シールを外して滑る準備を済ませて北斜面へ向かう。先行のスノーボーダーたちが滑っている間に、撮影ポイントやラインの打ち合わせ。といっても、降雪はないし、ノートラックを狙う価値もないので、先に降りてカメラを構えるTakuさんとSatoさんが撮りやすそうなラインを選んで滑った。

締まった雪の上に白い新雪が薄っすらと覆うバーン。本来ならジーニアステレでなんか来るコンディションではなかったが、今シーズン最後、というか、しばらくテレには乗らないつもりなので、滑り納めの意味でもミクを連れてきた。それに、カズさんはテレマークというイメージだったので、一緒に滑るならミクジーニアスだと思って。でも、登ってるときに、カズさんはボードでも滑っていて、Satoさんがボードだと知っていたらボードで来ていたと話しているのを聞いて、思わず苦笑い。

そんなわけで、コンディションに合わない板を選んで来てはいたものの、どんな斜面でもジーニアスで滑れるのが名人というもの。圧雪されたゲレンデのようにはカービングできないので割り切ってずらして滑ったけれど、斜面中盤のシュカブラでは粘れずに潰れてしまった。しかもカメラ前。

そんな自分とは対照的に難しい斜面をかっ飛ばして来たのがカズさんだった。何度も滑っている斜面とはいえ歳を感じさせない滑りはさすが。

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ゆっくり行動食を食べながら昼休みを取り、北斜面を登り返す。帰りは南斜面を落として大湯沼を通り抜ける定番ルートだ。

南斜面は春の日差しを受けて緩んでいる。黄砂とのまだら模様になったフィルムクラストが太陽を反射している。いつものようにSatoさんに指示を出して滑らせるTakuさん。たぶん、自分がSatoさんだったらキレてるだろうなぁw愛があればこその作品作り。以前、msrnに撮らせて注文を付けたらもう撮らないと言われてそれっきり。撮る気のない人には撮らせないと心に誓ったwとはいえ、Satoさん、ありがとう!

で、二人のカメラマンが先に滑って構えているので、自分が滑りたいラインを選んで合図を送ってドロップ。北斜面とは大違いで、グサグサボコボコ。雪庇から下のノートラックで滑りやすそうに見えた斜面だけは気持ちよかった。けれども、心配していた縦溝ゾーンへ入った途端にトップが刺さって顔から雪に突っ込む。日差しで緩んでザラメの深雪と化していた。それでも果敢に攻めるカズさんはさすが。30年後、自分もこんな風に滑れたらいいなぁ。

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久しぶりに大湯沼の硫黄くさい臭いを嗅いで歩いて行くと、雪秩父が工事中だった。温泉跡の方は歩けないので、道路へ出て駐車場まで歩いて帰る。さすがに車は減っていて、自分たちもさっさとHY-KROTSへ戻った。少し休んでからみんなで温泉へ出かける。VTUCのときと同じグランドホテルへ来ると、山と同じく外人がすっかり姿を消していた。ニセコのコーンスノーには興味はなく、長野の方へ行ってしまったらしい。帰ってくんなw

温泉を出て左手を見ると、ちょうどHY-KROTSの前に新しくできた住宅が山際に見える。向こうからはなんとも眺めが良さそうだ。ただ、戻ってみると、期待通りには羊蹄山は染まってくれなかった。実は、反対側の夕焼けがすごくきれいだったと、後で買い出しに出かけたTakuさんから聞いてがっかり。まぁ、風呂上りにビールをいただいて寛げたので良しとしようw

外が暗くなった頃、待ちに待った夕食。きれいに盛り付けられた料理は、口に入れると優しい味で、蘭越米が美味しくてもっと食べたいほどだったけど、豚タンの煮込みをお代わりしたらお腹いっぱいになってしまった。とても柔らかくて臭みがまったくないので、豚タンと言われなければ何かわからないだろう。

夕食を食べ終わってから薪ストーブの前へ移動して反省会。持ってきたHDMIケーブルをビデオカメラに繋いで上映する。その隙にMacBook Proへカズさんが撮ってくれた写真とSatoさんが撮ってくれた動画を取り込む。嬉しかったのは、カズさんが動画をとても喜んでくれたことだ。いつもはお客さんを撮る側で、撮ってもらうこと、特に動画を撮ってもらうことはなかったらしく、撮った甲斐があったと思える喜びようだった。ただ、動画を見てちょっと不機嫌になるカズさん。自分の滑りが気に入らなかったようだ。まあ、自分もそうだけど、しばらく自分の滑りを見ていないと、いつのまにか脳内では自分の滑りが超絶にカッコよくなってしまうので、動画を見ると現実とのギャップに打ちひしがれる。静止画とちがって動画は嘘をつかない。カズさんの滑りは十分に上手いし誰よりも攻めてたけどw

ハルミさんがケーキを切って運んできてくれた。前日の夜に慌てて作ったレアチーズケーキ。今年は時間がなくてこれだけだけど、ハルミさんのお母さんがとても喜んでくれたと翌朝聞いて、これまた作った甲斐があった。ただ、Satoさんがレーズン苦手なのを知らなかったのは大失敗。ラムレーズンなんて余計なものを入れなければよかったw

Takuさんが持ってきてくれたワインとカズさんにいただいたウィスキーをそれぞれ片手に自分たちの滑りに酔った、というより見てると切なくならないようにお酒に酔った。映像で見ても雪は良くない。手強い斜面をみんなよく滑った。

映像を見終わってWiFiの設定をしてたらなかなか上手くできなくて結構時間が経ってしまい、一人、また一人と部屋に戻ってしまったので楽しい夜もお開き。翌日、視界が悪くならないことを願ってベッドに横になった。

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