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ALL IS LOST

ずいぶん前からDVDを借りていたので久しぶりに映画を見た。

ヨットをしてるmsrnの山の師匠から2本借りていたDVDのうちの1本。前回見たのは「ターニング・タイド」。これは友情とハッピーエンドでまあよかったのだけど、今回の「オール・イズ・ロスト」は冒頭から暗い。サブタイトルが「最後の手紙」で、まさに、その手紙を書いているモノローグから映画がはじまった。「すまない。」と。

海に落ちたコンテナが浮いていて、それがぶつかってヨットが壊れて遭難する話。ヨットに誘われていたけど、この映画を見てますます怖くなった。DVDの特典には主演のロバート・レッドフォードのインタビューが収録されていて、コンテナが落ちて浮いてるということはよくあると話していた。実は毎年1万個もコンテナが海底に沈んでいるそうだ。沈んでるなら船がぶつかる心配はしなくていいが、いくら海は広いとはいえ、ひどい話だ。

コンテナにぶつかるかはともかく、遭難の危険は当然あるだろう。広い海に囲まれて一人浮いている状態を想像しただけで、海に出るのが怖くなる。泳ぎが下手なのも理由だ。釣りでは何度か船に乗せてもらっているけど、正直、底がまったく見えない海を覗き込んでいると生きた心地がしなくなる。高いところも嫌いだけど、深い海に浮かんでいるのも苦手だ。

自分である程度リスクをコントロールできない状態にいるのは落ち着かない。飛行機も同じだけど、空の上で何かあればまずそのまますぐに死ぬので、割り切れる。ところが、海上となるとそうはいかない。すぐに沈んで溺れてしまうならともかく、漂流する可能性があるからだ。そうなるとサバイバルだ。苦しいのや辛いのは嫌いなので、どっちかというと一思いに死にたい方だ。

そんな危険な海へ主人公がどんな理由でたった一人ヨットで旅へ出たのか、ほとんど説明がない。名前すら出てこない。「最後の手紙」は「君たち」に宛てられたものだったが、おそらくは家族か、そうでなくともかつて親しい関係にあった人なのだろう。ただ、「君たち」の写真などは船内に見つけることもできない。「最後の手紙」を綴るときまで、思い浮かべることもなかったのが、「自信過剰」と自身を戒める言葉につながるようにも感じる。

ヨットほどではないにしろ、雪山の単独行も少なからず同じ要素があるように思う。何かトラブルがあっても自分一人で対処しなければいけない。「自信」がなければ行くことはできないし行くべきでもない。雪山では「最後の手紙」を書く意味すらまったくないだろう。挫折しなければその自信が「過剰」だったと気づくこともないだろうけど、きっと気づいたときが最期だ。

予告編の意味深なナレーションにもかかわらず、主人公が助けられた後にどうなるかエピローグで明かされることもない。登場人物は主人公だけ。主人公のロバート・レッドフォードがセリフを言うのもたった数回。いろいろなことを想像しながら観る映画で、小説を読んでいるような感覚で面白かった。


久しぶりに映画を観て、こうして家でたまに観るのも悪くない。ヘッドホンを付けて画面にかじり付いてアニメを見てるよりもリラックスできたw

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