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Arc'teryx Voltair 30L

ついに雪崩エアバッグの本命が来た?

今月はじめ、バフンの準備の合間をみて、秀岳荘で開催されたアークテリクスの商品説明会へ行ってきた。ノベルティが欲しかったから行ったわけではなく、ついにアークテリクスから発売になる雪崩エアバッグの実物が見れそうだったからだ。もちろん、ノベルティもらえるなら欲しいけどw

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説明会の開始時間直前に着くと、会場はガラガラ。朝からいい天気で行楽日和だったせいなのか、20席くらい用意された会場には数人しか観客が集まっていない。以前、白石店で開催されたときより会場が狭いとはいえ、それにも増して人が少ない。

説明会はアークテリクスの歴史の紹介からスタートした。前にも聞いている内容もあるけど、開発した技術を独占せずに他者が利用できるようにしたり、デザイナーが一から完成まで一貫して製作できるようになってたりとか、日本へデザイナーが行ったあとに“Bonsai”というカラーができたとか、そんな話が頭に残った。

そして、ボルトエアーの説明が始まった。開発の理念は“シンプル”ということらしい。構造も動作もシンプルにして、緊急時の作動トラブルの可能性を最低限に抑えているようだ。トリガーハンドルは引っ張りやすいように大きく作られている。

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先シーズン、初めての電動式が評価されていたBDのJET FORCEと同じく、VOLTAIRも電動式。でも、使用可能回数がマイナス15度で8回、マイナス30度でも1回と、ジェットフォースの5回より余裕があるようだ。バッテリーの容量が大きいのか、バッテリーの消費電力が抑えられているのかはともかく、最低1回は使用できれば実用上問題ないので、回数よりはバッテリー周りの性能が気になる。質問攻めにして申し訳なかったけど、通常の使用では山行前に満充電にして入山するので、バッテリーの劣化は心配。バッテリーは交換できるので買い替えは可能だし、交換も簡単で予備バッテリーを持つことも可能みたいだけど。

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実演もしてくれた。体験をすすめてくれたトッチーさんには申し訳ないけど、体験より撮影したかったので体験は断りiPhoneを構えた。

作動プログラムもシンプルで、時間が経つとファンが逆回転してBDのように縮むようなことはない。エアバッグ部分に太いストローみたいなのを差し込んでエアバッグを潰して空気を押し出す。なので、完全埋没したときに縮んでエアポケット作るような機能はないということ。

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ザックへのスキーの取り付けは、エアバッグの構造上、やっぱりAフレームはダメ。同じ理由で、ザックのサイドにギアを装着できないため、スノボでの滑走中によくポールをサイドに取り付けるけど、そういうことはできない。あくまで背面か内部に収納することになる。

使用回数が50回〜70回で、本体を回収してシステム的な検査を行うらしい。これはメーカーのメンテナンス対応で無料っぽい。ただ、壊れた場合の修理などに関して、BIRD AIDが適用されるかはすぐに回答がなかった。おそらく適用になるとは言っていたけど。

アークのザックの特徴は完全防水らしいけど、このボルトエアーもそのようだ。持ってみるとエアバッグ内蔵とは思えないほど軽い。背負ってみても、体にしっかりフィットして、普通のザックと変わらない。むしろ、こっちの方がいいかも。バッテリーの位置がザックの下部ではなく中央にあり、重心が安定するのだとか。後発ということもあって、いろんな部分で洗練されている印象だ。

先日のASSHの講演会でも、講演の中で雪崩エアバッグのステージ上での実演があった。

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写真の右から、BCA、BD、ABS、Arc'teryx、Mammut。BCAとABSは火薬式のガスシリンダータイプで、他は電動式モーターファンタイプ。驚いたのは、実演で5機種のうち2機種が正常にエアバッグが膨らまなかったこと。写真を見ての通り、BDとABSがちゃんと膨らんでいない。エアバッグの収納が悪いと、ジェットフォースもちゃんと膨らまないことがあるようだ。ABSは左右に1つずつエアバッグがあるので、両方膨らまないという可能性は低いということで、安全性を高めているらしい。でも、目の前でちゃんと膨らまないのを見ると、ちょっと心配になる。しかも、同時に2機種も。

ブースでの展示もあって、みんなエアバッグを試運転していた。アークは評判が良さそう。BDが20万円なら買わないけど、アークが20万なら買うかもなぁ。山用品は初年度は絶対買わずに人柱は他の人に任せるけどw

というわけで、説明会と講演会の動画。

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