H本でもわかるバックカントリースキーテクニック
せっかくのご近所イベントなので、6年ぶりにタケさんに滑り方の教えを請いに行ってきた。
途中で腹が減るとまずいので、いったん家に帰ってから、結婚披露宴でもらったケーキの残りを食べてから会場へ走る。会場にはちえさんも来ていた。さすが熱心。
いよいよセミナーがスタートすると、まずはこれまでタケさんが発表したバックカントリースキーのHOW TOビデオの歴史を紹介。10年前に出してもう絶版になっている「雪山の達人」は、クリフジャンプの仕方とか内容がアレでマニアにしか売れなかったらしい。次の「パウダーライド」はイベントで買ったようなものなのでちゃんと観たけど、テレマークに転向してからはまったく観てない。今回が3本目で、書籍とDVD合わせて2,000円ちょっとなので、確かに、ハウツービデオが欲しい人にはお買い得かも。
続いての話題は滑りの基本だった。急停止をすると、自分で正しいポジションの確認ができるのでいいそうだ。しっかり外向傾を作って、板の中心に重心を乗せるのがいいポジション。さりげなくSAJをディスっていて面白かったw
ポジションの次はターンの切り替え、重心の移動についての解説があったけど、ちょうど自分でもここ数年、テレマークでもスノボでも意識していたことなので、確かに、永遠のテーマなのかも。下手の人はたいていポジションが悪いし、切り替えで乱れる。この後、パウダーでの切り替えに触れたときも、上手い人は切り替えもカッコよく見えるという話があり、「そうだよなぁ」としみじみ納得。
周りを見渡しても、切り替えで重心をフォールラインに移動できない人がとても多い。特に、テレでは上に抜けてしまう人が多くて、切り替えのときにピョコピョコしていてスピードに乗れない。テレもスノボも切り替えで重心がフォールラインに移動しないと切り替え直後に谷回りができなくて、板がずれてキレのあるターンができない。
道具やコンディションに関わらず、重心のコントロールが滑りにおいてもっとも大事だと思う。でも、実はハイクのときにも大きく影響するようで、小野塚彩那は初めてハイクしたときでもキックターンが上手かったらしくて、滑りが上手いと重心が安定してしっかり板の中心に乗っているので、板がずり落ちたりしなくて転ばないそうだ。つまり、逆に、キックターンで転ぶような人は、滑りも大したことないということだろう。自慢じゃないが、自分はキックターンなんぞで転ばない。
肝心の滑りのトレーニングでは、年寄りは怪我の危険があるのでやらない方がいいというこどだけど、片脚スキーが紹介された。これも確かに下手な人はできない。特に、内足のアウトエッジを使って滑るのができない人がほとんどだろう。
この片脚スキートレーニングをすると、パラレルターンができるようになるらしい。特に、子供にやらせるとすぐにできるようになるとか。子供なら転んでも怪我しないからいいのだろう。上手くなりたければ、ひたすら急停止と片脚スキーでもいいのかな。片脚急停止できればかなりのものだろう。
児玉毅のよくわかるバックカントリースキーテクニック [ 児玉毅 ] |
バックカントリーでのスキーの滑り方につながるものとして、クランマーターンもトレーニングの一つとして紹介された。しゃがんだ状態で内スキーのアウトエッジでターンして、外スキーを上に上げるターンらしい。名前を聞いたことはあったけど、やったことはない。不用意に内倒した拍子にそういう体勢になったことはあったけど。
これがバックカントリーのパウダーでのスライドターンへ発展するようだ。プロスキーヤーがカタログや雑誌の写真用にカメラマンの前でやるターンが、このスライドターンらしい。以前は内足ターンと聞いたものと同じらしいけど、テレマークでやろうとして失敗してからは、アルペンにもしばらく全然乗っていなかったので、まったく頭の中から消えていた。
ちょうど今シーズンはジニアスをアルペンで乗れるようにしたので、スライドターンもやってみようと思った。まずはゲレンデでクランマーターンを練習してみてからだろうけど。
他に、バックカントリーでの滑り以外のテクニックも紹介されて、「ハイクを楽しむための5カ条」の中の4番目「辛くなった時の心の避難場所を用意する」が、まさに痛板だと思ったけれど、さすがにそんな話はこれっぽっちもなかった。バックカントリーでミクと滑るようになってからもう6年目。先シーズンはスノーシューでハイクがものすごく辛いのに、休憩のときしかミクの顔を見ることができなかった。パーティーの他のメンバーに癒しと励ましを与えてくれていたようだけど、肝心の自分の方は辛いばかりで、もうスプリットかスキーでしかハイクはしたくないと思った。
ところで、観客にはガチな人はあまりいないように見えたけど、面白かったのは現役の山スキー部っぽい若い男子が滑り方について質問していたことだ。自分が学生だった頃は、山スキー部といえば秀岳荘の取り付けシールで登って、滑るのは山屋さんほど酷くはないけど、プラブーツとジルブレッタで転んで雪まみれになりながら滑り降りてくるイメージだったのが、今や「バックカントリースキー部」になってしまったのかもしれない。
雪崩や遭難の話抜きで、この勢いで初心者がバックカントリーへ行ったら怖い印象はあったけど、自分としては今シーズンのテーマを再確認できたのでよかった。テレだと疲れるからアルペンなのではなく、アルペンなりの新しい課題に取り組むとまた楽しめそうだ。
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