Vector Glide Mastiff Carbon
Vecto Glide Demo Tourで試乗した板のインプレッション第1弾。
実はマスティフには今まで一度も乗ったことがない。浅川さんや秋庭さんが好んで乗っているけれど、サイズは193 cmしかない板で、明らかに自分向きではない。そんなわけで今まで見向きもしなかった。ところが、VUCでは村長が珍しく1本だけで2日間過ごして、調子が良さそうだったのが、このマスティフ・カーボンだった。
サイズこそ193 cmしかないが、マスティフにはこれまでいくつかのバリエーションが存在する。初代、Super Lite Core、Metal、そして、このCarbonと、コアが移り変わって来た。さらには、20台限定のMastiff Woodも販売されたけれど、見た目の美しさとは裏腹に、板としての品質には個体差が大きく左右差もあり、お世辞にもいい板ではなかったらしいw
一方、カーボンモデルの現行マスティフは、先シーズンの試乗会から評判がよく、今シーズンのVUCで乗っている人も多かった。自分が驚いたのは、自分の前を滑る村長がマスティフカーボンに乗って小回りをしていたからだ。
マスティフのセンターは110 mm。秋庭さん曰く、ちゃんとカービングできるギリギリの太さだ。つまり、結構太いということ。ジニアスの130 mmに比べると20 mmも細いと言えるけれど、マスティフには大回りのイメージしかなかったので、自分には軽い衝撃だった。
そんなわけで、今回の試乗会で真っ先に乗ったのが、Mastiff Carbon。もちろん、193 cm。ビンディングは、自分のブーツがテック対応ではないFTブーツなので、Marker Griffonのレンタルビンディングだ。
念のため書いておくけど、別にカーボンだからといって、そんなに軽くない。軽い板を期待していたらがっかりするだろう。「カーボン=軽い」というイメージは、この際、ヴェクターグライドの場合は消し去った方がいいw
試乗で滑ったのはエコーコース。朝から降り続く雪でモサモサの状態だ。ところが、これまで乗ったことがある板の中で一番の安定感。板がまったくばたつかない。戦車のように突き進んでいく。これは反則だw
ただ、その安定性ゆえに、自分には能動的なコントロールがしづらい。体重と脚力不足のせいで、低速ではまったくといっていいほど板がたわまない。結果的に滑っていても楽しくはなかった。それでも、ポテンシャルの高さは実感するので、より急斜面で、スピードを出して乗ってみたい板だ。
193 cmという長さも、今まで乗ったことがない長さだったけれど、それほど気にならなかった。例えば、濃い樹林内を滑るのは難しいだろうけど、樹林限界より上など、斜面がオープンだと初めから決まっているなら、マスティフカーボンで出かけることもできる。
利尻山をメタルのマスティフで滑る浅川さんの映像を見れば、マスティフのキャラクターが分かるだろう。マスティフはパウダースキーではない。過酷なコンディションをねじ伏せて滑るような板だ。乗りこなすにはそういう滑りに耐える心も必要だと思う。自分のように滑りやすい斜面を選ぶタイプには向かないw
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