Vector Glide Make ST 180 (Telemark)
以前、アルペンで乗ったMake STの今度はテレマークでのインプレッション。
テレマークでは硬すぎるかもしれないと思っていたけれど、実際にテレマークで乗ってみたらどうか。VTUCで2日間、ゲレンデで滑った感想をまとめてみる。
今回、Make STに取り付けたビンディングはブラックダイヤモンドのO1。しかも、初代のトゥーピースのビスが4本のタイプ。ブーツも8シーズン目でフニャフニャのスカルパT2 ecoで、NTNに4バックルのブーツで乗るのとはかなり条件は異なるかもしれない。
まず、すぐに感じるのは板の軽さ。ミクピストル(K2 Seth Pistol)が結構重かったのに対して、MAKE STはかなり軽い。持ってるだけで明らかに軽く感じるし、もちろん、Geniusと比べても軽い。滑ってみると、この軽さは以前乗っていたコブ板のReIsmのK-OBの感覚を思い出した。ペラペラでなんとも頼りない。
けれど、この軽さゆえに、コブが滑りやすかった。狭いピッチの急なコブでも板が遅れることなく自分の身体の真下についてくる。密林での速い切り替えでもたつくこともない。
そして何より驚いたことに、いざ角付けして加重してやるとしっかりと雪面を捉えてくれるのがK-OBとはちがう。フレックスの調整がいいのか、板がしっかりたわんで雪面に食らいついて予想もしなかった大きな安定感が得られる。まだ限界を探りながら乗っているので怖いけれど、「やっぱりダメだった」ということは一度もなかった。板を信じて踏んでやれば、ちゃんと雪面に食らいついてくれる。
その分、カービングではターンの最後まで粘ってくれる。縦に落とすばかりでなく、斜面を大きく深いターンで滑ったり、地形に合わせて立体的に滑るのに十分なフレックスバランスだと思う。
とはいえ、パウダーはジニアスと比べるべくもない。ノーズロッカーで、ノーズが125mmといっても、所詮はセンター90mmで今やセミファット級。センターでさえ130mmあるジニアスよりは遥かに浮力が落ちるので、浅いパウダーでは雪煙を上げるだけでベースを滑ることになってしまう。板をあまり傾けなければ問題ないけれど、傾きすぎると雪質によってはノーズが雪に引っかかって失速してしまった。細い板やロッカーがない板よりはパウダーが滑りやすいと思うけど、メインはパウダー以外と考えて使い分けた方が良さそうだ。「パウダーのエントリモデルとして」ならともかく、浮力に期待すると後悔するだろう。
下のはVTUCで不整地を大回りしたのときを撮ってもらった動画。ビビりながら滑った割には板に助けられて転ばずに完走w
個人的にはハイシーズンのパウダー用にGenius、それ以外でMake STと使い分けることを考えればこれ以上ない組み合わせだ。そうでなくても、1本だけでシーズン通して滑るとなればMake STを選ぶような気がする。春にジニアスのテレマークはやっぱり辛いので。信者以外にも、Vector Glideの最初の1本としてオススメw
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