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THE YOUNG KARL MARX

マルクス・エンゲルス」という映画がシアターキノで上映されてると知って、1年ぶりに映画館で映画を観てきた。

どうやら今年はマルクス生誕200周年らしい。シアターキノ26周年記念作品として6月2日から上映されているようだ。

最近、たまたま共産主義とは何かが気になって「共産党宣言」を読み返したタイミングだったので、ちょうど上映していてよかった。「共産党宣言」を書き上げるまでの若きマルクス、エンゲルスを描く物語であったのだから。

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映画を観てみると、実は、マルクスやエンゲルスよりも、マルクスの妻、イェニーの進歩的な考え方や意思の強さに驚いた。当時、まだ封建制が残るプロイセンにおいて、貴族の令嬢であるにも関わらず、そうした社会を嫌い、マルクスの思想や哲学も理解し自分の意見を述べる聡明さをもっている。プルードンをマルクスと一緒に批判するシーンに唖然としてしまった。

マルクスのこともよく知らなかったけれど、こんなすごい女性が妻としてマルクスを支えていたことはまったく知らなかったので、映画のための演出なのかと疑ってしまうほどだった。そして、たまたま津端夫妻の本も読んでいたので、マルクスとの貧しい生活をなんとかするためにイェニーが質屋へ通った様子が、つい津端夫妻のものとかぶって興味深い。やはり優秀な研究者にはそれを支える立派な妻がいるのかもしれない。

映画のストーリーは「熱血思春映画」と言っても過言ではない。マルクスに興味がない人や共産主義が苦手な人でも映画として十分に楽しめると思う。若者が、といっても20代だけど、彼らが信じる正義のために困難な目標に向かって戦う姿には、心を打たれた。

マルクスたちは「所有」ということを論理的に具体的にはっきりさせることで、階級闘争へと辿りついたけれど、おそらくプロレタリアートの境遇が酷くなければ、こうした支配体制への抵抗は起こらなかったように思うので、なんだかんだでまだ豊かな日本の労働者が生かさず殺さず社畜乙なのは皮肉なことだw

「共産党宣言」は「万国のプロレタリアートよ、団結せよ!」という呼びかけで結ばれるけれど、どうせ資本家はあの手この手で巧みに団結を阻むので、民主主義が未成熟で幼稚な日本人は、100年経っても権力にいいように利用されるだけのままだろうなぁ。呑気にW杯に浮かれている場合じゃないはずなのだけど。

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