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フリーソロとクライム&ライドのちがい

佐々木大輔の講演会に誘われたので、珍しく講演会のはしご。

参加申し込み方法が分からなかったということで、ともかくは会場へ行くことになっていて、4階講堂前の受付へやってきた。受付の人が偶然知り合いでびっくり。お互い登山の話をまったくしていなかったので、まさかこんなところで会うとは思わず驚いた。

すでに会場は満員で立見とのことだった。まあ、中へ入れるだけいい。佐々木大輔もNHKで番組が何度か放送されて、すっかり有名人になった印象だ。通路の立見もすでにいっぱいで、一番前で体育座りするように薦められて、スクリーンにかぶり付きで講演を聞くことになった。前の演者席に座っている佐々木大輔はマスクをしている。風邪でも引いているのかと思ったら、ウイルス性の口内炎と話していた。

講演はほぼ時間通りに始まったのだけど、NHKの二つの特集、利尻山とデナリのそれぞれを会場の参加者がどのくらい観ているかを確認した佐々木大輔は、期待したほど観ていない人が多くないことに戸惑っていたけれど、おかげで結果的には内容が濃い講演となって、忘れっぽい自分にはありがたかった。

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彼のプロフィールとして生い立ちが紹介され、彼の両親というか父もなかなかの変わり者だったようで、冬の盤渓で幼い子供を連れて家を建てるために土台の枕木を土を掘り返して埋め込んでいる写真が紹介された。やはり親の子供への影響は大きいのだろう。

ノマドで中学生の頃からさまざまな山行をしていたことは雑誌か何かで読んで知っていたし、なまら癖-Xのこともどこかで聞いてるので、基本的には自分にとって新しい話題はそれほどなかった。ただ、講演の初めから全体を通して語っていたことのキーワードは「オンサイト」だった。

もともと佐々木大輔はクライミングのフリーソロと彼のやっているクライム&ライドは似ていると思っていたらしい。ところが、フリーソロの誰だかというクライマーは、完璧にリハーサル(シミュレーション?)を行なってから本番に臨むと知って、自分との違いを認識したらしい。彼はその場その場での判断を大事にしていて、そもそも雪山ではコンディションが目まぐるしく変化するのでリハーサルはできないからと。

どちらが危険かは一概には判断できないだろうけど、一つのミスがすぐに死につながるフリーソロと比べると、ロープも使って複数で登り、滑走ルートを間違えても引き返したり、滑落してもピッケルで停止できる状況だからこそ、「オンサイト」で行動を決められる余裕があると思った。どっちが上とか下でもなく、どっちを好むかという問題に過ぎないのだけど。少なくとも彼は後者のようだ。

意外にも2時間の長い講演にもかかわらず、一睡もすることなく最後まで聞いていた。北大で昼寝してきたおかげだろうw ただ、硬いフロアにずっと体育座りだったのはこたえた。こんなことならGumboさん家に銀マットを置いて来ないで持って来ればよかった。

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