さらば、VECTOR GLIDE
VRC(Vector Glide Riding Club)の詳細が公開されていたのを読んだ。
会費は1シーズン15,000円(税別)。
会員はメンバーズカード、ステッカー、ニットをもらえるらしい。
そして、会員はVRC限定デザインの板とかが買えるらしい。
さらに、VUCとかのイベントは通常価格の20%オフで参加できるようだ。
初めてVector Glideの板を買ってVector Glide Users Campに参加したのが7年前の11-12シーズン。藻ーリスさん、エスキックスと一緒に参加して、他のユーザーとも知り合った。秋庭さんはもちろん、浅川さんや永島さんとも親しくなり、その後もVUCやVTUCでお世話になった。展示会へも出かけたり、懇親会でいろいろな話ができて楽しかった。ユーザーと開発陣との近さは、あまり他所のメーカーにはない大きな魅力でもあった。
ところが、自分の知る限りでも、この数年、様子が変わってきた。自分も含めて新しいユーザーの参加によって、VUCの参加者が増え、古参ユーザーが少しずつ離れて行った。内容も旭岳のようなBCをメインにユーザー同士が滑りの刺激を受け合うものから、スキー場をメインにライダーが滑りを指導する形へと変化してきた。
古くからのユーザーがVUCへ期待していたものとメーカーが提供するサービスとにズレが生じてきていたのは確かだ。自分としては変化を受け入れつつ、それに合わせて参加していたつもりだったけれど、VRCの登場によって状況は大きく変わってしまった。
VRCは明らさまなユーザーの差別だ。メーカーとしては商品が売れたり、イベントへ参加してくれたりしなければ、事業として成り立たない。販売数や参加者数を増やしたいのは当然だと思う。ところが、ユーザーの間にVRCメンバーと非メンバーという区別を行うのは、これまで同じVector Glide Usersとして一体感を感じていたユーザー間のコミュニティに亀裂を生じるものとなるだろう。
というか、自分ははっきり言って、もういいや。お布施はもうやめ。
GeniusとMake STのような自分に合った楽しい板を生み出してくれたことにもとても感謝している。少なくともあと10年はこれらの板で楽しめると思う。ボードは前からGentemstickのTTに興味があるけど、スキーと同じような感覚で扱えるGeniusはとても楽しい。今乗っているスキーが壊れたとき、もし同じ板に買い換えることができたら、たぶんそうすると思う。中古を買うかもしれないけれど、それくらい気に入っているのは確かだ。ただ、Vector Glideとの付き合い方は変わるだろう。
mémoiresというヴィンテージショップを友達が営んでいる。彼女がVector Glideの板は時代を超えて愛されるヴィンテージだと話していた。確かに、フラッグシップのCordovaは今も多くのユーザーが乗っているし、10年以上前の板を大事に乗り続けている人もいる。あるいは、テレマーク版のBoldも含めて、同じ板に買い替えている人もいる。それだけ支持されているのがCordovaであり、Boldであり、Vector Glideなのだと思う。
そして、自分のGeniusも8シーズン目を迎えた。深雪用のファットスキーを他の板に変えようという気はまったくない。ボードのGeniusは復刻版ではあるが、以前のアウトラインそのままだ。すでに自分にとってはヴィンテージとしての存在であり、VRCの登場をきっかけに、Vector Glideというメーカーも自分にとってはヴィンテージブランドへと変わってしまった。
自分が好きだったVector Glideが変わってしまったのは残念だけれど、当時の開発者の思いが込められた板は変わっていないはずだ。きっと自分はこれからもGeniusで滑り続ける。滑れなくなるまでは。
| 固定リンク | 1
コメント
こんばんは。
キャンプを開催しても、一部の参加者の滑走技術が、本当の山だと危険過ぎる為、「転んで怪我しても余り問題にならないスキー場内で、まずは硬いファットスキー板への乗り方講習」に変えて来たのでしょうね。
投稿: しーば | 2019年1月10日 (木) 17時22分
>しーばさん
それはあるだろうね。
暴走気味の人結構いるから。
ぼくも他人のことあまり言えないけどw
そもそも秋庭さん自身がBCで安心してちゃんと乗れるように作った板なのだから、一般庶民が簡単に乗れる板ではないのに、勘違いをして乗る人が増えたよね。
投稿: H本 | 2019年1月10日 (木) 18時02分
庶民は、上級者が存分に使用し、かなりヘタらせた後の、超ふんにゃりフレックスがピッタリです。
購入しようと思って居る方々は、明後日からの3連休にキロロスキー場で無料で出来る、ヴェクターグライドの試乗会に行って、乗りこなせない事を確認しないと駄目ですね。
ですが、試乗後にブース内でお話しを聞くと、いつの間にかスキー板が家に一本増えるんですよ。仕方が無い事です。
来シーズン、新品板で滑ってみると扱い難くてしょうがない。
「ヴェクターグライドのファット板講習会に参加しないと!
会員なんて有るの?1.5万円?安過ぎだろ?入っておこう」
お金が沢山有る方々は、全く問題無い金額なんですよね。
乗れなくて困って居る方々を救う為の講習は、とっても良い事だと思います。
他の基礎板ブランドも見習って貰いたいですよ。特にオガサカとか。
投稿: しーば | 2019年1月10日 (木) 19時39分
>しーばさん
そういえば試乗板って結構年季入っているのもあるから、古いものはもうヘタってそうだよね。
試乗会で乗りやすいと思って購入。
↓
新品は硬くて乗りづらい。
↓
Vector Glide Riding Academyへ参加。割引があるのでVRCへも入会。
↓
それでも上手く滑れないので、VGの易し目の板も購入。
↓
そもそも技術がないので別のメーカーの板を購入。
というパターンに陥りそう。
基礎スキーはスクールへ行けばいいんじゃない?
VGのクリニックでも基本的に教えていることはスキーの基礎。
基礎スキーを習ってスキーの基礎が身につくかどうかはともかく、パウダーで板を自在に扱うには、基礎ができてないとダメだね。
投稿: H本 | 2019年1月11日 (金) 11時25分