POMOCA FREE PRO
無駄にかわいいデザインがBC女子の心を鷲掴みにしているクライミングスキン、ゴマちゃんを初めて使ってみたけど、かなり調子がいい。
FREEラインはグリップ性能に振っているようだけど、FREEがナイロン100%なのに対してFREE PROはナイロン30%、モヘア70%とCLIMBラインと同じ構成になっており、グライド性能を上げているようだ。
実際の使用感は、スキーのジニアスとスプリットのジニアスとの比較なので、単純には比べられないけれど、G3のアルピニストスキンと同じかそれ以上のグリップ性能があるように感じた。一方のグライド性能については、若干POMOCAの方が劣るようにも感じた。けれど、G3のシールは10年も使っているため、グリップ性能が落ちてグライド性能が上がっている可能性もある。少なくとも、まったく性能においては不満を感じないか、ハイクアップにはむしろ余裕を感じた。
使い勝手については、トップフィックスはスプリットのチップクリップと干渉することもなく、しっかりと固定することができる。矩形になっているので、フックを引っ掛けるG3よりも、テンションが緩んだときにはずれづらいような気がする。
テールストラップはスプリット用の新しいもので、G3やBlack Diamondのものよりもシンプルだ。
樹脂製の三角形のフックがストラップに付いているだけ。G3のように可動部分もなければ、BDのようにストラップが複雑な形状もしていない。そのせいか、取り外しには若干の使いづらさを感じる。取り付けでテンションをかけるのは簡単だけど、テンションがかかったテールフィックスを引っ張って外すには、握る場所があまりないので結構握力が必要だ。グリグリと左右に揺すりながら引っ張ると取れやすいのだけど、ボードを傷めないか心配だ。金属製ではなく樹脂製なので少しは安心感があるけど、手がかじかんで力が入らないときにちゃんとはずせるかどうかまだ不安だ。
POMOCAの一番の利点はスキンの方よりも、ソールに貼り付けるグルーの方だろう。これまでColl-texやGekkoが従来のグルーとは異なるクライミングスキンを販売していたけれど、評判はイマイチだ。
一方、老舗と言われるPOMOCAはグルーのまま復活を遂げた。グルーなのに糊面どうしを貼り合わせても問題なく剥がせる。G3やBlack Diamondでは粘着力が強すぎて、糊面を張り合わせると剥がすのに一苦労だ。ところが、POMOCAはそこまでの力がなくても剥がすことができる。女性にはちょっと大変だろうけど、チートシートを省略できるのは、バックカントリーでは非常に大きなメリットだ。嵩張るチートシートがない分だけパッキングはコンパクトになるし、滑る前後の手間も減る。
それに、貼り合わせたシールを登り返しで剥がすと、その都度グルーが元気になるので貼り付きも良くなって一石二鳥。グルーの粘着力が強すぎるシールではできない芸当だ。剥がれづらければいいというものではない。
これまで日帰りバックカントリーで3日使ってみて、不満らしい不満は見つからなかった。不満を挙げるとすれば、せいぜい、トップフィックスのPOMOCAのロゴがプリントされたプレートが外れやすいことくらい。使用を繰り返してもG3やBlack Diamondのように、グルーがダメにならなければ最高だ。
なお、最近、Vector Glideが扱い始めたContourからも新しくスプリットボード用のクライミングスキンが登場した。これもPOMOCAと同じくチートシートは不要で糊面どうしを貼り合わせることができるので興味はあったのだけど、メジョーで楽しんでる大西さんのようには新しい製品を山で使う人柱精神はない。自分の命に関わるものは、多くの人柱によって信頼性が確かめられた後に採用する方針だ。
実際、早速リコールがあった。それに、トップフィックスのバックルがマジックテープで固定されていて、マジックテープの付け外しでバックルを取り外してシールを付け外しする独特のシステムを採用している。分割することによってバックルの紛失を引き起こしかねないので、このシステムには懐疑的だ。シールのバッグも強風で飛ばされることが少なくないので、軽いバックルは同じように爆風の中では吹き飛ばされて紛失する危険性が高いと思われる。現在はまだ周囲で見かけることもないが、信者の中ではじわじわと広まることが予想される。人柱に期待しようw
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