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macOSの写真 Appからの参照

ついにApertureからの移行に向けて重い腰を上げるときがやってきた。

Appleのプロ向け画像編集・管理アプリケーションであるApertureが最後にアップデートされたのは2014年。もう5年も前だ。そして、今年2019年の春に「次期macOSがApertureにとどめを刺す」という記事を読んで覚悟を決めた。今まで何のアップデートもなしに起動できたことの方が本来は珍しいことだっただろう。

デジイチで写真を撮らなくなってからはApertureの現像機能をほとんど利用していなかった。新しいカメラも買っていないので、Apertureが新しいRAWプロファイルに対応していなくても不自由することもない。Apertureを写真のバックアップくらいにしか使わなくなっていたので、Apertureに不満も感じていなかった。ところが、その状況もいよいよ終わることになるようだ。

MacBook Pro(MBP)はMojaveを入れて最新OSにしているけれど、iMacはMid 2010なので、そもそもHigh Sierraが最新。iMacでだけApertureを使い続けるなら問題ない。けれど、メインマシンであるMBPで写真の管理をできなくなるのは不便だ。Late 2013のMBPが次期OSに対応しているかどうかもよく分からないけど、今回がいい加減Apertureから別のアプリケーションへ移行する機会だと覚悟した。

以前、Apertureが開発競争を行なっていたAdobeのLightroomに移行する必要は、デジイチで撮影しなくなった今の自分にはない。iPhone SEで撮影したり、古いコンデジで撮った写真を整理できれば問題ないからだ。ただし、Apertureのようなマスター画像とプレビューによる写真管理ができることが条件だ。というのも、メインマシンのMBPのストレージ容量を写真のライブラリで圧迫したくないので、できればこれまでのようにマスター画像は外付けHDDに保存して参照する形式にしたい。しかも、Apertureに代わる新たなアプリケーションを購入せずに済ませたかった。

すると、嬉しいことに、macOS標準の写真アプリケーションが、どうやらライブラリの外部にあるファイルへの参照に対応していることがわかった。たまたま画像ファイルを試しに写真アプリケーションへ読み込んでみたときに、環境設定をちゃんと確認せずに失敗したことがきっかけだったのだけど、iPhoneなどのデバイスからではなく、ローカルに保存済みの画像ファイルを読み込むときには、ライブラリにコピーするか、コピーせずに元のファイルを参照するかのとちらかを選択できるようになっている。ただし、iPhone SEで撮影した写真、特に、iPhone SEで画像編集を行なった写真については注意が必要だ。

写真でiPhone SEからライブラリに画像を読み込むときには、特に何も意識する必要はない。iPhone SE上のライブラリと同じようにmacOSの写真でもそのまま表示される。ところが、写真アプリケーションでiPhone SEの画像を取り込むとき、ライブラリにコピーする以外に方法がない。どうしてもライブラリの外へ画像ファイルを保存するには、いったんiPhone SEからmacOS上に読み込んでから、写真アプリケーションに読み込むしかない。

iPhone SEからMBPへはAirDropで簡単に画像を保存することができるけど、このとき保存されるのはオリジナルの画像ではない。iPhone SE上で編集した場合は編集済みの画像が書き出される。オリジナルの画像を保存し、かつ編集済みの画像も保存したい場合には、デバイスからの画像や動画読み込みに特化したアプリケーションであるイメージキャプチャを利用するといい。

iPhone SEの画像はiPhone SE上での編集履歴を拡張子が「aae」のサイドカーファイルと呼ばれるものに格納しており、イメージキャプチャを利用した場合、画像ファイルと一緒にaaeファイルもmacOS上に書き出される。Apertureではaaeファイルに対応していなかったため、未編集の画像ファイルしか読み込むことができなかった。でも、macOSの写真アプリケーションはaaeファイルを認識するので、画像ファイルと同じフォルダに保存しておくといい。

ちなみに、イメージキャプチャでiPhone SEから読み込むと、編集済みのファイルも書き出される。オリジナル画像の名前がIMG_0123.jpgだったとしたら、aaeファイルはIMG_0123.aae、編集済みファイルはIMG_E0123.jpgとなる。

写真アプリケーションで読み込むとき、あらかじめ環境設定で「項目を写真ライブラリにコピー」のチェックをはずしておくと、読み込んだファイルは外部参照となる。読み込まれた画像のプレビューの右上にアイコンが表示される。

Photos_ss

このアイコンをクリックするとメニューが表示されて、「参照ファイルをFinderに表示」を選択するとFinder上で表示される。

面白いというか感心するのは、AppleがApertureから写真アプリケーションへの移行を勧めるだけはあって、外付けHDDの写真を読み込んで参照している場合でも、外付けHDDのマウントを解除して取り出すことができる。そして、参照アイコンも表示が変わって、赤い斜線が上に表示される。

Photos_ss2

問題は、Apertureとちがって基本的には参照ファイルが保存されている外付けHDDなどを接続した状態で使用することを想定しているようで、ビューアを開いて表示しようとするとエラーが表示される。

Photos_ss3

ビューアを開くたびに注意されるので、警告がうるさく感じる場合はビューアのまま矢印キーを使って画像をブラウズするといい。

ともかく、これでiPhone SEの画像についてのみはほぼ期待していた通りにApertureから移行できたのでホッとした。静止画と動画を合わせて12,000以上の項目でも、参照してるおかげでライブラリの容量は2GB以下に収まった。画質は低くてもMBP単体でライブラリをプレビューできる使い勝手の良さは代え難い。

けれど、むしろ、これからの難関はApertureの膨大なライブラリの移行だろう。これには現像や編集の破棄を覚悟する必要があるらしく、改めて検討しなくてはいけないようだ。

【2019年9月9日追記】「iPhone」は「iPhone SE」と修正。iPhone 7以降はiOS11以降で保存される画像がJPEGフォーマットからHEIFフォーマットへと変更されているらしい。動画はHEVCへ。

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