大家族化するベクターファミリー
先日、久しぶりにVector Glideのオフィシャルサイトをのぞいたら、「ベクターファミリー」の家族がさらに増えていたw
ATHLETEというページがあって、以前から顔なじみのベクターライダーの名前に混じって、初めて聞く名前がちらほらと見つかる。まぁ、単に自分がプロライダーに興味がなくて知らないだけなのかもしれないけど、秋庭さん、浅川さんはともかく、ここ数年で「ベクターファミリー」に加わった鈴木彩乃、河野健児、あとはオリンピックモーグルで話題になった遠藤尚くらいまでならなんとか自分でも知っている。さすがにテレマークはVTUCで毎年お世話になっている永島さんはもちろん知ってるし、上野岳光も最近加わったことは知っていた。でも、スノーボードの2人となるとさっぱり。
あれ?そういえば、スノーボードは以前、なまらの国の塚原さんしかいなかったような記憶がある。それに、テレマークからトイルの高梨さんも消えている。他所へ移ったのか?
そう思っていたら、いつのまにかGUIDESというページもできていた。どうやら2人ともアスリートではなくガイドとしてサポートを受けることになったようだ。何がちがうか知らないけど。こっちにはパウダーカンパニーガイドの大島くんも載っている。
こうして見ると「ベクターファミリー」もずいぶんと大家族になったものだ。アスリートが13人でガイドが12人。合わせて25人。どういうサポートがあるのか知らないけど、普通に考えてこんなに家族が増えたら家計が大変だと思うのが自然だw
やたらと有料イベントが増えて、今年からは飲み会までオフィシャルな会費制のイベントになってしまい、近頃のベクターはサロン化が甚だしい。とはいえ、これはメーカーとしてはある意味正しい選択ではあるのだろう。
ちょっと前、FBで皆川賢太郎のこの記事を何度か目にしたことがあり、それぞれの考えを添えて紹介しているのを読んだ。
それで自分も思うのだけど、これだけ庶民の所得が下がって格差が拡大を続ける社会において、景気がよかったスキーブームの頃のようにトップ選手が稼げることなんてあり得ない。スキー人口は減っていく一方だろうから、狙うべきは量ではなく質だ。貧乏人なんて相手にせず、富裕層をターゲットにしなければいけない時代になったといえる。
ニセコには外国人富裕層が訪れて、「外人価格」が成立していて完全に地元とは隔たっている印象だ。外国人ばかりではない。高価なアウトドア用品を頻繁に買い換える日本人と自分たちとは明らかに階層が異なる。ベクターグライドはそうした富裕層をターゲットにビジネスを展開する方向へと舵を切ったことがうかがい知れる。
かといって、ベクターの製品が富裕層向けになることで劣化したわけではないので、自分たち貧乏テレマーカーは上手く付き合えばいいだけだ。わざわざ新品を買わなくても、富裕層が乗りこなせずに手放した中古品をヤフオクやメルカリで安く手に入れればいい。Gentemstickはずいぶん前から中古市場が確立しているそうだけど、ベクターはゲンテンほどのリセールバリューがないため、むしろ都合がいいかもしれない。元はいいものなので、中古でも十分に使える。テレマークならヘタったくらいがちょうどいいw
ただ、このまま格差が拡大を続ければ、そのうち山を登って滑ること自体でさえとても贅沢なことになってしまうかもしれない。そもそも最近の若者はお金のかかるスキーはしない。9月末、消費税の増税前には、トイレットペーパーなど軽減税率の対象外となる生活用品を買い求めてスーパーにおばさんちゃんたちが群がっていた。消費税増税にも消費税にも反対しないのに、自分たち家族だけはたった2%のほんの少しだけでも得をしようという考え方がとても浅ましく思える。おそらくはこのように政策には文句は言いながらも、結局は我慢して従う人間が増えたことが、今の政権が思い上がった態度を続ける原因だ。現状は権力者の思う壺だけど、あのおばちゃんたちが変わるのを期待するのは難しいだろうな。
2018年ノーベル平和賞受賞のデニ・ムクウェゲ医師の講演会の模様をテレビでたまたま見た。「(あなたのように)素晴らしいことをするには何から始めたらいいか?」という観衆の学生からの質問に対して、彼は「自分だけのことを考えてはいけない。誰かの痛みを知ろうと努めなければいけない。」というようなことを話していた。自分はもちろん家族だって大事なのは分かる。でも、その他の人たちのことも考えなくては。
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