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雪崩から身を守るために

今年も恒例の講演会を聴きに行ってきた。

午前中は用事があったけど、午後の部にギリギリ間に合わせることができた。去年とちがって今年はいつも通りクラーク会館だったので迷うことなく会場入り。前の方の席が空いていたのでとりあえず座って講演が始まるのを待った。

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午後の最初は大西さんの「雪崩のリスクマネジメント〜行動と装備〜」から。男女混成パーティーではヒューマンファクターによる事故が起きやすい件については、女性の前で男性が調子に乗ってリスクが上がるのは分かるけど、一方で女性はどうなのかと考えてしまった。ゲレンデならわたスキのように狙った男性の前でわざと転んで助け起こしてもらうという技が使えるようだけど、バックカントリーでは雪崩リスクの高い斜面はともかく、案外、男性の気を引くには使える技かもしれないと思ったw それにしても、アバラングと雪崩エアバッグの紹介のときに、アバラングを加えた女性を「うちのカミさんです」とネタにしていたのは盛大に滑っていたので、見ていて痛々しかったwww

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そのあとの講演は「降雪と気象」、「雪と雪崩の科学」ということで、易しく丁寧に説明してくれて分かりやすいけど、とにかく時間が長くて途中でちょっと眠くなってしまった。雪崩の原因となる弱層がどうやって生じるかという点に関連して、弱層となる降雪結晶がどういう気象で生まれ、しもざらめ雪などがどうやって成長するかについて詳しく解説が行われた。正直、山行前に過去の天気から積雪の状態を予測するようなことはほとんどしていないけど、冬はいつも天気予報や山の天気は気にしているので、実際に山に行くとだいたい想像していた通りの積雪の状態ということが多い気がする。油断につながってはいけないけど。

低気圧の通過で大雪が降ってテンション上がって山へ行くと、シューティングクラックが入りまくりで視界も悪く、狙っていたシュートには入らずに、登ってきた尾根を戻ったこともあった。そういう意味では、はじめから緩い斜面を狙っておけばよかったとも言えるので、気象に対してもう少し注意を払ってもいいかもしれない。

会場はエアコンが入っているんじゃないかってほどに寒い。上から冷気が降りてくる。講演の間にトイレを済ませたら上の席に移動した。他の人たちも寒いみたいで、休憩時間にカミフ会のみんなと自販機の暖かい飲み物でホッと一息つく。

阿部幹雄さんは今回の講演会でも「那須雪崩事故の真相」というタイトルで事故事例として報告を行なった。講演のはじめの方で被害に遭った2校を紹介しながら、書籍でも書いていたように、登山を競技として高校生同士が競うことには否定的な考えを示していた。講演の要所要所でドキュメンタリー番組で使用した映像を上映していたので、ただの講演よりは内容も分かりやすかったような気はする。

現在、引率していた教諭たちは書類送検されている状況らしいのだけど、阿部幹雄さんとしては、1班の大田原高校は、2班の真岡高校が誘発した雪崩に巻き込まれたというような言い方をしていた。ただ、スラブへの刺激はそう単純ではない。2班の近くから破断が進んでいったとしても、破断の原因が2班だけだとは言えないと思う。1班もスラブの上部にいたからこそ破断が生じたと考えることもできる。不安定なスラブの上に2つのパーティー、20人以上が一度に乗っていたという事実を考えると、あまりに無謀な山行だったと思えてしまう。

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残念だったのは、事故事例としての講演だったのに、自分の山行に活かすには、自分自身で山行の問題点を整理して予防策を考える必要がある点だ。「雪崩から身を守るために」という講演会の趣旨を考えると、ジャーナリズムよりも雪山での行動につながるものにして欲しかった。

一方、その後の事故事例の紹介は積雪の分析を除く当日の行動などについては大西さんが担当しており、かつての事例報告を彷彿とさせるような自分のツアーに参考になるものだった。実際、事故事例自体が12年も前の2007年の上ホロの雪崩事故についてだったし。改めて11/13の雪崩事故の報告を聞くと、しっしーくんは上でもう1人が誘発した雪崩に巻き込まれたということだった。勘違いしてただけかもしれないけど、今までしっしーくんが自分で誘発したのだと思っていた。とはいえ、セルフレスキューのお手本とも言える的確な捜索と低体温症への対応に再び唸ってしまった。仲間って大事だ。

休憩を挟みながら4時間以上の長い講演は聴いているだけでもさすがに疲れた。もうお腹いっぱい。ただ、しばらくセルフレスキューのトレーニングをしていないので、仲間を助けられる可能性を高めるためにもそろそろ練習した方がいいだろうな。

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