怪我と老化と傷害保険
まさか傷害保険の更新を断られるとは思わなかった。
傷害保険の契約を初めてしたのは2010年の冬。当時、一緒にBCで滑り始めた藻ーリスさんに保険加入を勧められたからだ。
BCで雪崩などで遭難した場合の救助費用は、例えば、現在、キロロのBCエリアの場合、救助費用基本料が10万円だ。基本料ってwww もし保険が使えない場合に自腹を切って支払うのは、現実的にかなり厳しい。一緒に滑るメンバーに迷惑をかけないためにも、セルフレスキューの技術を磨くだけではなく、そうした万一の事故に備えることも大事だ。
数ある保険の中から自分が加入したのは一般的な傷害保険で、「救援者費用等」の特約で限度額300万円のものだった。「携行品損害」の特約も付けて、普段の怪我で通院したときでも補償されると安心だと思い、これまでずっと契約を続けていた。
でも、たまたま怪我らしい怪我もなく、風邪で通院するくらいで、傷害保険の保険金を請求することはなかった。ところが、途中、3年くらい経ってから保険料が3割くらいアップしたことで、保険料の支払いを意識するきっかけになった。もともとBCでの遭難に備えて契約した保険とはいえ、毎年数万円の掛け捨てで、保険の恩恵に何も預かることなく過ごしているのは損をしているような気がした。
そして、初めて保険金を請求したのが、確か5、6年前に、スキーで腰痛になって整骨院へ通ったときだった。数日にすぎなかったのだけど、保険金で治療費を賄うことができたのはありがたかった。これでこそ保険だと。
それからしばらく経って、2017年の冬、スノーボードで立木に衝突して、ボードが割れて修理不能になった。まだ2シーズン目のボードで、購入代金を考えると、すんなり諦める気にはなれない。こんなときこそ「携行品損害」特約の出番だろうと思い請求すると、ありがたいことに限度額いっぱいの保険金を得ることができた。
すると、翌年、なんと今度は2シーズン目のスノボブーツまで壊れてしまった。ちょっとした転倒にもかかわらずで、メーカーに修理を依頼してみたところ、経年劣化という返答だった。ダメ元で再び「携行品損害」で保険金を請求すると、幸い、減価償却したうえでちゃんと保険金を出してもらえた。ダメなメーカーと諦めていたところ、捨てる神あれば拾う神ありとはよく言ったものだ。
ここ数年はスキーで腰を傷めたり、スノボで手首を傷めたりと、治療のために整骨院へ通って年に1、2回通院補償で保険金を請求することがあった。今年も薪割りで手首を傷めたので、通院14日分を請求して保険金を得ていた。
先月もスラックラインで地面に落下して腰を傷め、整骨院へ治療に通っている。完治したら代理店に連絡して保険金の請求の手続きをしようと思っていたところ、逆に代理店から電話があり、次回の契約更新を断られた。保険金を請求しすぎたらしい。
9年間、1年ごと契約を更新しながら傷害保険の契約を続けてきた。保険料は1年で24,000円。9年で216,000円。かなりの金額だ。これを掛け捨てで保険金を一切受け取っていなかったとすると、auイラットプランどころの話ではない。幸か不幸かここ数年は怪我が重なって、ボードやブーツも壊れたために、請求額がこれまで支払った保険料を上回ることになった。そんなわけで、保険会社からはリスクが高い顧客として排除されることになってしまった。
でも、最近、整骨院へよく通うようになって感じたことは、老化によって自然治癒力が衰え、痛みが続き、身体を動かせなくなることによって、より症状が悪化するという悪循環に陥っているということだ。明らかに身体に変化を感じる。これは老化だ。
老化にともなって、整骨院へ治療に通わなくては怪我が治りづらくなった今こそ、傷害保険が必要な年代だといえる。傷害保険のありがたみを強く感じていたにもかかわらず、このタイミングで契約更新を断られたのは結構な驚きだった。
確かに、保険会社はビジネスとしてサービスを提供しているので、採算が合わないような契約はできないことは理解できる。保険料を値上げしたのも利益を確保するためだろう。会社側が損をするような相手とは契約をしない。会社側が損するほど保険金を請求したら更新を拒否される可能性があるということが分かった。以前、部長がスノーボードクロスとかの草レースに出ていた頃に怪我しまくって保険金をもらいまくっていたら更新を断られたという話は聞いていたけれど、まさか自分が同じ羽目に会うとは思わなかったw
さて、BCで滑るのを止めない以上、遭難時への準備は必要だ。ゲレンデで滑っていても怪我をしたり、誤って衝突した相手を怪我させる危険もある。新しい契約先を探さなくてはいけないな。
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