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ハイブリッド・フリーライド・ビンディング

最近、MarkerからDuke PTが発表されて何やらBCスキーヤーたちが荒ぶっているようだw

自分が山スキーを始めた頃は、ディアミール一択というような状況だった。辛うじてNaxoがもう一つの選択肢になるかどうか。しばらくそんな状況が続いていたとき、BCスキー・スノーボードブームの高まりに合わせるかのように登場したのが、Marker Dukeだった。

アルペンビンディングのような高剛性で滑り重視のスキーヤーは一気にMarkerを選ぶようになった。それを追いかけてチロリアやサロモン、アトミックがアルペンツアービンディングへ参入し、Markerも軽量化したBaronや、よりツアー向きのTourをリリース。選択肢が増えて自分のスタイルに合わせてビンディングを選べる時代が訪れた。

その後、さらに山岳スキーレースからテックビンディングの技術がBCスキーにももたらされ、開発元のDynafitを筆頭に、G3やディアミールのフリッチがテックビンディングをリリースした。そして、Markerから満を持して投入された滑り重視のテックビンディングがKingpinだった。

その頃には自分はテレマークへ移行しており、わざわざブーツから全部買い換えてテックビンディングに移行する気も経済的余裕もなかったので、結局、Kingpinを自分で試す機会はなかった。それでも周りのスキーヤーが次々とテックビンディングへ、特に、滑り重視で誤解放を心配する人たちがKingpinへ移行していくのを見ていて、いつかは自分もと思うようになった。

ところが、サロモンとアトミックから刺客とも思えるシフトビンディングが登場して状況は変化する。トゥーピースがブーツのつま先を両側から2つのピンでつまむように固定するテックビンディングと従来のアルペンビンディングとのちがいを解消するシフトビンディングの登場はなかなか衝撃的だった。歩行モードではテックビンディングのようにピンで固定するのでアルペンツアービンディングのような“下駄”を履く必要がない一方、滑走モードではkingpin同様にヒールピースのコバを固定するだけでなく、トゥーピースまで変形してコバを押さえるより滑り重視のコンセプト。

そこへ追い討ちをかけるようにkingpinのトゥーピースの不具合によるリコールが発表され、テックビンディングの限界なのかとも思えた。一方、シフトビンディングも滑りを重視したことにより登りやすさが犠牲になっているのか、クライミングサポートが低いなど使いづらいという声も聞こえた。滑り重視のアルペンスキーヤーはKingpinとシフトビンディングという選択で悩むことになったのかもしれないと、テレマーカーとして人ごとのように思っていた。

前置きがいつも以上に長くなってしまったけれど、そんなBCにおけるビンディングの開発競争の真打としての呼び声が高いのが、今回のMarker Duke PTだと言えるだろう。それゆえ、賛否両論、騒めいているのも頷ける。

テックビンディング対応のブーツすら持っておらず、Kingpinやシフトビンディングどころかテックビンディング自体試乗したことすらないのに、来シーズンリリースされる予定のDuke PTのことを気にしても仕方ないのだけど、ただ乗りとしてこの騒ぎにまったく参加しないわけにはいかないだろうw とりあえず、語るだけでも語っておきたい。

“ハイブリッド・フリーライド・ビンディング”というカテゴリーは、Markerの“フリーライド/フリースタイル”、“ツアーリング”の両方のカテゴリーを兼ねるという意味だろう。具体的には、プレスリリースにもあるように、アルペンビンディングのJesterとテックビンディングのKingpinのいいとこ取りという考えのようだ。Jesterは使ったことはないけれど、Dukeの軽量版であるBaronを使っていて滑走路の剛性感は経験しているので、おそらくDuke PTは本物だろう。なんせ解放値を16まで上げてきた。ライバルだと考えられるSalomon/Atomic Shift MNCですら解放値は13止まりだ。さらに、Duke PT 16と12の2機種を用意し、スタイルに合わせて軽さを優先することもできるようにしている。

そうは言ってもいいところばかりではない。これまでのDukeもそうであったように、Duke PTもやはり他と比べるとまだ重い。Shift MNCが片方で865 gなのに対して、Duke PT 12でも1090 g。歩行モードではトゥーピースのハウジングを取り外すというとんでも機能をもってしても850 g。余計なギミックを備えて故障の不安が増えるよりも、シンプルなものを選びたいという気持ちになってしまう。といっても、Shift MNCの変形だって不安がないわけではない。でも、Duke PTのはずしたハウジングをなくしたり落としたりしないかだって心配だ。

おそらく、BCスキーのビンディングは、ハイクはピンで、滑走時は従来のアルペンビンディングと同じくコバを押さえるという方式が一般的になるような気がする。以前のツアービンディングのような“下駄”は廃れていくだろう。実際、AtomicやSalomonのラインナップからはすでに消え、Shift MNCに取って代わられている。Markerだけは全ての方式のビンディングを揃えているが、果たしていつまでこの状況が維持されるか分からない。

自分としてはまだどれかを選ぶことはできない。いまだにノーマルのFTブーツのまま、3シーズン前にBaronを買ったばかりの自分には、Duke PTがベストには感じない。一方、今シーズン、MarkerからKingpin M-Werks 12という新型が出る。

まるで、Duke PTのトゥーピースからハウジングを取り除いただけのように見えてしまうのだけど、Kingpinはまだ過去にはならないようだ。

それにしても、BCスキーのビンディングの現行商品がこれほどたくさんあることに驚く。以前とは比べ物にならないほど選択肢が多い。残念なのは、選択肢が増えたからといって、競争が働いて価格が下がったりはしていないということだ。むしろ価格は以前よりも数万円は上がっている。BCスキーの道具は高級品。BCスキーもすっかり贅沢な遊びになってしまったのかもしれない。

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