本郷新札幌彫刻美術館
8月に札幌市の施設が一部無料で利用できるようになっていたので、初めて彫刻美術館へ行ってみた。
近代美術館や芸術の森美術館には何度か行っているけど、彫刻が特別好きな訳ではないせいか、彫刻美術館は車で前を通り過ぎるばかりで、これまで一度も行ったことがなかった。今回、たまたま札幌市の企画で無料だと知って行くことにはしたのだけど、無料なのは記念館のみで、本館の特別展は有料。微妙な「無料」だったけど、いいきっかけではあるので、思い切って行ってみた。
当日は開館の30分後くらいに行ったのだけど、駐車場が満車。しばらく待って1台帰ったので、なんとか車を停めて美術館へ行くことができた。
無料の記念館も受付は本館。もともと特別展も観るつもりだったので、本館で受付して、特別展の舟越桂展の方から観てまわった。
舟越桂のことは知らなかったのだけど、小説の表紙が何点か展示されていて見覚えがあることに気づいた。彫刻としてではなく、撮影された彫刻を小説の表紙として目にしていたようだ。独特の人物像の数々で特に視線を意識させられる作品が多く感じた。
会場には小学生らしき子供の団体が学習しに来ているのか結構騒がしい。ゆったりと楽しむ状況ではないのは残念だったけど、子供に芸術に触れる機会を与えるためには仕方ないだろう。でも、時間帯で分けたりした方が親切かも。
本館の外にはいくつか本郷新のブロンズ像が展示されている。わだつみ像があることは、前にOから聞いていたけど、実際に観るのは今回が初めてだ。本郷新の作品は舟越桂とは作風ががらっと変わって正統派?の彫刻という感じだった。
続いて、今回無料の記念館の方へ行く。こっちの屋外にもブロンズ像が展示されている。中へ入ると、ここには大きな石膏像がたくさん並んでいた。全然知らなかったのだけど、本郷新は札幌市内や北海道、日本全国に野外彫刻を遺していたようで、それに因んだ石膏像が多数展示されていた。身近なのは大通公園の泉の像。本郷新の作だったんだ。他にも五輪大橋に像があったようで、記念館の小企画になっていた。これまで野外彫刻には興味なかったけど、これを機会に札幌市内の作品を観てみても面白そうだと思った。
展示されていた作品の中に「勇払千人同心」の名前を見つけて驚いた。ちょうど、この数日前に苫小牧美術博物館へ行ったときに、勇払千人同心のことを知った。北海道が屯田兵によって本格的に開拓される前に、八王子千人同心が勇払へ入植して厳しい自然に苦しんだ末に開拓を断念したとされていた。まさかこんなところで結びつくとは。たまたま八王子に住んでるしw
本郷新の作品からは人間の力強さが伝わってきた。ポジティブな気持ちにしてくれる。こんな風に感じるとは思わなかったので不思議だったけど、野外彫刻を数多く依頼されて制作しているのも、何かそうしたことと関係があるのかもしれない。
ところで、記念館で作品を観ながら感じたのは、記念館が住宅っぽいこと。それもそのはず、記念館は本郷新のアトリエだったようだ。しかも、宮の森へアトリエを移す前には、小樽市の春香町にアトリエを構えていたらしい。なんともいろいろなところが繋がって面白いのだけど、2階の窓からは札幌の街並みが見下ろせて、格差社会を実感w
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