きいろい線とピンクの点
朝食の帰りに北大へ寄ってインスタレーションを見てきた。
自宅へ帰る途中、ちょうど橋が見える辺りで、FBでこざるんがインスタレーションのことを紹介していたのを見てmsrnが行きたがっていたのを思い出した。
昼ごはんには少し早いし、せっかくなので寄っていくことにして、農学部の方からキャンパス内へ入った。橋があることは知っていたけれど、これまで一度も渡ったことがない。石山通を跨いでいる姿をいつも見ていたけれど、どこからどこへかかっている橋なのかも知らなかった。
とりあえず、農学部の横を抜けて、橋がある方向へ道を進んでいくと、あっさりと橋の東端が現れた。
橋の向こうは実験苗畑らしく、ちょっと緊張する。インスタレーションは橋の向こう側なのに。
恐る恐る橋を渡っていくと石山通の上に出る。いつも見上げている橋からの景色は新鮮だ。
橋を渡りきると古い建物が見えてくる。石山通のそばがインスタレーションの会場で、入口に看板が置いてあった。ブラブラしているとスタッフの人がやって来ていろいろと説明してくれた。
測量の跡や伐倒の目印は張碓でも見ていたので、なんとなく親しみを感じる。足元が悪いので注意するように言われたけど、実際に歩いてみると張碓よりもかえって歩きやすいくらいだ。
大きな切株を見つけたけど、後でユリノキだと教えてもらった。植物園の初代園長、宮部金吾がアメリカから持ち帰った種から育てたそうで、植物園にはまだ生えているそうだ。
伐倒予定の樹木は鉛筆と和紙のフロッタージュが巻かれている。伐倒後にフロッタージュ部分が切り取られて再現されるらしい。橋が撤去されるのにともなって、農学部からの通路が石山通に沿って新たに作られるため、かなり多くの樹木が切り倒されることになる。きいろい線とピンクの点(と水糸の線)が示す道は、それらの樹木を送り出す道のようにも感じた。
せっかくなので園内をぐるっと散策してみた。いろいろな研究をしているようで、同じ樹種が並んで生えていたり、単管パイプで組まれた実験設備があったり、緑がたくさんあるといえども大学らしい。
遠くの梢に気配を感じたら、どうやらエゾリスが食事中のようだ。足元にはクルミの実があちこちに転がっている。ここなら餌の心配はなさそうだ。
鉢に植わったアワダチソウがたくさん並んでいたのも見つけた。これも後から聞いた話では、アワダチソウは個体間でお互いを認識するという説があるらしく、その研究を行なっているらしい。
園内の樹木には学生への教育目的でネームプレートが付けられていて勉強になる。張碓には家に帰って調べても分からない木ばかりなので、すぐに確認できるのがありがたい。
ぐるっと回って温室の方へ戻ると、またスタッフの人から説明を受けることができた。そもそも橋は札幌市が建てたものらしい。1972年のオリンピック開催にともなって石山通を整備したことで、それまで繋がっていた農学部の敷地が石山通で分断されてしまったそうだ。その埋め合わせとして札幌市が建てたのがこの橋だけど、耐震性の不足と老朽化のため、改修することができずに撤去することになったらしい。
自分が入学した年に北18条のポプラ並木が切り倒されてアンダーパスの工事が始まったけれど、キャンパスが分断されずに済んだのはよかったのかもしれない。アンダーパスになる前はキャンパス内の私道にもかかわらず交通量が多かったようだし。
温室内の展示も見せてもらった。次回のインスタレーションの準備をしているところだった。
橋の撤去工事は来年。それまでは園内をのんびり楽しめそうなので、また散歩に来よう。人も少ないし、いい場所だ。
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