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ココログ旅

毛無山から増毛を眺めには行かなかったけど、小樽までチャリで行ってきた。

前日の夜、msrnが体調不良で翌日は家で休んでいると言い出した。張碓へ行く予定だったので、ついでに小樽市役所まで用を足しに行くつもりでいたけれど、わざわざ車で市役所まで行くのも無駄な気がしてきた。それならいっそチャリで市役所まで行こうかとも考えたけど、そうなると張碓で移植したノリウツギやナツグミへ水やりができない。チャリで行くか車で行くか決めきれずにそのまま寝てしまった。

朝起きてもまだ迷っていた。車で行けば楽だけど、どうせならトレーニングも兼ねてチャリで行きたい気もする。でも、チャリでは水を運べないので、張碓には寄って見るだけになってしまう。

そんなふうに悩んでいたら、テレビの画面に毛無山の展望台が映っていた。こころ旅の放送時間だった。

身近な場所が番組に登場するとやっぱり気になる。特に、その日行こうとしていた小樽が舞台のようだ。

火野正平が愛用する自転車「チャリオ」に跨り、毛無峠から国道を寿司屋の並びまで走り下りた。寿司を食べ終わると、小樽駅の前を通って船見坂という小樽の名所?までたどり着いたところで番組は終わった。続きはその日の夜とか。

これで気持ちが決まった。小樽へはチャリで行こう。

10年ほど前、平岸に住んでいた頃、ふと思い立って小樽までチャリで出かけたことがあった。そのときは小樽天狗山へ登りに行ったので、かなり疲れて帰ってきた。その後は張碓峠を越えて小樽市街へ行くことはなく、張碓まで数回行ったことがあるくらい。ただ、国道5号線を走るとアップダウンで疲れるのを知っていたので、今回は車で行くときと同じく新川通を通って行くことにした。

自宅を8:40に出発。新川通沿いの歩道を走るのは排気ガスが嫌なので、新道からはできるだけ土手の方を走るようにした。ところが、支流が合流する地点や放水箇所など、ところどころ途切れていたり大きく迂回したり、舗装も良くなかったりして、サイクリングロードのようにはスムーズに走れない。途中で土手を走るのは諦めて、川を挟んで新川通とは反対側の住宅街に面した道路を走ることにした。

車とちがってチャリだと、信号の間隔も十分に長い距離に感じる。車の通りも少ないので新川通沿いを走るよりよかった。国道337号にぶつかったら、左折して銭函まで走る。ここは素直に国道沿いを走るのだけど、道路が広いので車道を走っても怖くない。

国道5号まで行く前に右折して、銭函市街を通って張碓へ行く。海が近づいたせいか、潮の香りに包まれる。車で走るよりも周囲の変化に敏感だ。踏切が下りていたので軽い休憩になる。列車が通り過ぎてゲートが開くと、ここからが最初の難所だ。急な坂を登り切ると息が切れた。張碓まではもう少し。住宅街の中を通って礼文塚通に出る。かもめ保育園の前を通り過ぎ、yukimichiさんの前で記念撮影。

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ここまで22.6km。高低差は58m。銭函で高度0mになり、最後の登りで一気に60m近く登ったようだ。のんびり走って1時間半。アップダウンがなくて疲れが少ないのはよかったけど、さすがにこの距離を走り続けたら疲れた。

少し休憩したら、和宇尻通を通って国道5号に戻り、張碓峠を越える。勾配はそんなにないのでチャリで漕いで登れるけれど、トンネルを抜けて下りが始まるとホッとした。そこから朝里まではずっと下り坂だ。

朝里までは冬にキロロや札幌国際へ行くときによく通るけれど、小樽市街へはそんなに行くことがない。久しぶりにチャリで走ってみると、結構アップダウンがある。「坂の街」と言われる通り、市役所に着くまでに一気に疲労した。

張碓からはちょうど1時間。15.3km。高低差140mのうち、100m以上は張碓峠だった。自宅からは40km近く走ったことになる。2時間半もかかった。

市役所で駐輪場を探しても見つからない。仕方ないのでバイク用の駐車場に停めた。電動アシスト自転車が1台だけ停まっていた。さすが「坂の街」小樽w

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用を足したら腹が減っていたので小樽公園のベンチに座って、家から持ってきた弁当を食べた。小樽へは車で来てどこかのカフェでランチすることが多いけど、こういうのも悪くない。時間があれば小樽の街並みを歩いて観て回りたいけど、家の鍵を忘れて出かけてきたみたいで、締め出されては嫌なので、msrnが夕方出かける前に家に着くように急いで出発したw

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そんなわけで、船見坂へ行くこともなく小樽の街を出発して自宅を目指す。しばらくは国道5号を引き返すのだけど、歩道を走ろうとすると如何せん、接続が悪い。小樽市街は車道が狭くて走りたくないので無駄な迂回もした。

朝里の手前の上り坂で右の脹脛に痛みを感じた。登山で下山するときに感じるのと同じ痛みだ。先日のピッシリ山のときにも痛んだ。まさかチャリでも痛くなるとは思わなかった。痛むのは登りでペダルを踏み込むときで、張碓峠の登りが終わるまではなかなか辛かった。

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銭函まで走り降りて、そこからはできるだけ線路沿いを走って最短で自宅まで帰ることにした。数カ所のアップダウンはあったものの、国道5号を走るのに比べたら圧倒的に平坦な道を走ることができた。おかげで脹脛の痛みに苦しむこともなく帰宅できた。最終的には往復約70kmを5時間かけて走ったことになる。やっぱり札幌と小樽は遠い。

家に着くと幸い、msrnはまだ在宅で、鍵を忘れたことを伝えると驚いていた。あと数十分遅れていたら、家から締め出されていたところだった。鍵を忘れないためには、自分で鍵をかけて出かけるのが大事だとつくづく思う。

張碓へ行くようになって海を見る機会が増えたけど、海を眺めるのは好きだ。札幌に住んでいると海は見えない。海を見ると新鮮だ。毎日海を眺めたいと思うのか、朝里から張碓峠へ登っているときに山側に見える家のほとんどが、海の方向に大きな窓を開けている。陽が入らない北側にもかかわらずだ。伯父が道南の漁村に住んでいるので何度も家に行っているけど、漁村に住んでいる人には海の景色は当たり前で、きれいな夕陽でさえ普段の光景だ。それを知っているので、普段見られないからこそ見たいと思うわけで、いつも見られるようになるなら、わざわざ大きな窓を作ってまで見えるようにしなくてもいいような気がしてしまう。そもそも家の外に出れば見えるのだし。おそらく家のプランを考えるには、建てる土地に数日から数週間住んでみた上で、そこに建てるべき家を考えた方がいいように思う。現実にはまずできないことではあるけど、そうすれば無駄なことをせず、生活に必要な要素だけを選び出すことができるように思う。

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