DIGAの修理
またもや修理ネタなのだけど、実家のハードディスクレコーダーPanasonic DMR-XW300が壊れたようなので修理してみた。
5日前にママンからビデオ(ハードディスクレコーダー)で前日からBSが観れなくなり、ビデオも観れなくなったと連絡があった。そのさらに前日には自分もそのハードディスクレコーダーで録画した番組を観ているので、急に観れなくなったそうだ。
電源ボタンを押してしばらく経つと電源が入るそうだけど、すぐに切れてしまうらしい。BSも受信していないと表示されるようだ。地上波は映るらしい。
ハードディスクレコーダーからのアンテナ出力をテレビへ入力しているので、テレビを確認してもらうと、BSは観れたり観れなかったり。ハードディスクレコーダーはDVDも再生できるものなので試してもらうと、再生する前に電源が落ちてしまうらしい。
型番を調べてもらってDMR-XW300だと分かったので、故障についてググってみるといろいろ出てきた。この店長の日記2を読んだところ、どうやらICプロテクタというチップヒューズが経年劣化で破損したことが原因である可能性が高い。
ネット上を調べてみたところ、メーカーに修理に出すと1万数千円かかるらしい。しかも、その中身はほとんど工賃で、部品自体は数百円にすぎない。XW300はそもそも2007年の発売からすでに13年も経っている。せっかく詳しく修理の様子を紹介してくれているので、もういっそ思い切って自分で修理してみてもいいだろう。
まずはともかく故障箇所を特定するため、翌日、実家へ行って症状を確認。確かに電源を入れても画面が出ないまま電源が落ちる。
テレビもBSは入らない。テレビにアンテナケーブルを直接接続してもBSが入らない。でも、テレビの設定でアンテナ設定を変更したらBSも映るようになった。
さて、いよいよハードディスクレコーダーのバラし。問題の基盤を取り出し、ICプロテクタの導通を確認する。先人の知恵を頼りつつ、順番にパーツをはずしてバラしていく。
まずは外側のカバーをはずす。
ハードディスクドライブを取り外す。
前面パネルをはずす。爪が下、
横、
中央にある。
結構、埃が溜まっているので、適宜掃除機で吸い取っていく。
ICプロテクタがある基盤と別の基盤とを繋げる簾のようなケーブルをはずす。
DVDとかの光学ドライブのケーブルもはずす。
ディスプレイの上のフレームをはずす。
背面パネルもはずす必要があるので、端子部分を一つずつはずしていく。
ファンの電源ケーブルも邪魔なのではずす。
ようやく問題の基盤がはずれた。
基盤の2ヶ所にICプロクテクタが取り付けられている。「G」と書いてあるチップ。
導通を確認するためにテスターで抵抗を測定すると、1つ目は導通なし。2つ目は数Ωの抵抗があり、チップヒューズは機能しているようだ。したがって、今回の症状は1つ目のICプロテクタが破損したことによって生じていると思われる。
ICプロテクタは32V、0.75Aのチップヒューズであると紹介してくれていたので、その翌日、狸小路の梅澤無線へ買いに行くことにした。
梅澤無線へ行くのは学生時代以来だろう。研究室で何かの電子回路を作るときにお遣いへ行った。その後、AirMacベースステーションが熱暴走してコンデンサが壊れたとき、交換用のコンデンサを個人的に買いに行った。それくらいだけど、電子部品は何でもある店だと思っていた。
店に入ってチップヒューズを探してみると、同じような形とサイズのチップ抵抗は売っていたけど、チップヒューズは見つからない。ガラス管ヒューズなどはあるのだけど。仕方ないので店員に聞いてみると、なんと梅澤無線では取り扱っていないらしい!
わざわざ店まで買いに行ったのに空振り。仕方ないのでネットで入手できないか探してみた。ちょうどPanasonicの32V、0.75Aのチップヒューズが見つかった。入手先もリンクが張ってある。ディストリビューターの所在地がヨーロッパってのがちょっと心配だったけど、ともかくこのRS Componentsというところのオンライン販売サイトに登録して注文した。10個単位でしか購入できないけど、10個でも267円。送料も450円で済むので、税込717円だ。
注文したチップヒューズは3日後の午前中には届いたので、早速、午後から交換作業に取り掛かった。
まずは箱から取り出す。
リボンみたいなシートの中にちゃんと10個入ってる。
今回は基盤の半田付けなので、プリント基板用の低出力のハンダコテで作業した。
小さくて苦労したけど、なんとか壊れたICプロテクタを取り外すことができた。取り外したICプロテクタはどっかへ消えたけどw
交換するチップヒューズはとにかく小さい。
基盤を傷つけてしまったけど、なんとかはんだ付け完了。
あとはバラしたのと逆に組み立てていく。組み立て終わったら、電源ケーブルをつなぐ。すると、しばらく「PLEASE WAIT」と表示され、それから電源ボタンを押すと、無事に電源が入った。勝手に電源が落ちることもない。
続いて動作確認。テレビにHDMIケーブルを接続すると、無事、BSが映るようになった。ところが、録画済みの番組を観れない。録画ボタンを押しても録画できない。もしかしてハードディスクを壊してしまったか?
案外、ケーブルをつなぎ忘れてるかもしれないと思い、もう一度カバーをはずすと、案の定、ハードディスクドライブの電源ケーブルがはずしたままだった。つなぎなおしてカバーをして、再度電源を入れる。すると、今度はちゃんと録画済みの番組を観ることができた。修理は成功したようだ。
改めてハードディスクレコーダーを元の場所に戻してケーブルを配線し直して、修理は完了。日和らずにやってみてよかった。最悪、失敗してゴミにする心配はあったけど、なんとか13年もののハードディスクレコーダーを生き返らすことができた。自分には4Kなんてまだ必要なさそうだ。
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コメント
正に今やろうと思っていた作業です!
参考にします。
ありがとうございました!
投稿: パナヲタ | 2021年9月23日 (木) 20時14分
>パナヲタさん
どうしたしまして。
ぼくも真似しただけですがw
直るといいですね!
投稿: H本 | 2021年9月24日 (金) 08時23分
むかーし修理して図面も無くなり目も悪くなり,そのGのIC2プロテクターの場所が分からず・・・探してました。
ありがとう助かりました。
部品番号:K5H751z00003 ICプロテクター \200(140)
投稿: panasonicの電器屋さん | 2023年3月 8日 (水) 11時38分
>panasonicの電器屋さん
どういたしまして。
お役に立ててよかったです。
こんなに小さな部品を交換して修理してくれる電気屋さんには頭が下がります。
投稿: H本 | 2023年3月 9日 (木) 11時08分