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ウロコ板とウロコ加工

ウロコ加工から5年以上経った今シーズンになって、ようやく効果を本格的に確かめることができた。

そもそもウロコ板、ステップソールとの出会いは、2013年の5月に三段山クラブの春のツアーでT田さんが来ていたときだ。パーティーの他のメンバーがシールで登っているのに対して、ウロコのT田さんは同じ勾配では板がスリップして登れなくて、何度もジグをきってステップソール日本代表の意地を見せていた。ただ、ウロコ板でも滑りは普通の板に引けを取らないとは思った。

ウロコ板、ステップソールというのは、文字のごとくスキーのソールにウロコの模様が付いている。ウロコ模様に凹んでいるのがネガ、盛り上がっているのがポジ。T田さんのウロコ板はMadshus(マズシャス)というメーカーのものだったのは覚えているけど、ネガ、ポジのどっちだったかは覚えていない。また、メーカーによってウロコの形や配置などが異なるらしい。でも、少なくともこのときはウロコ板に魅力を感じなかった。T田さんには悪いけどw

ところが、この頃から急にシールの糊がダメになり始めた。それでシールを使わずに登れるウロコ板に興味を持つようになったわけだ。まぁ、シールの糊がダメになったのが、ケコンしてシールの干し方が悪くなったからだったのだけど、当時は気づかずに変な方向へ突き進んでしまったw

変な方向というのは、「ファットのウロコ板ならハイシーズンの新雪でもシールを貼らずに登れるだろう」と思ってしまったことだった。この考えが大きなまちがいだったのだけど、翌年、2014年のオフシーズンのうちに勢いでウロコ加工してしまった。ジニアスではなかったのがせめてもの救いなのだけどw

ウロコ加工、ステップソールチューンは、彫刻刀で自分でソールを削る人もいるらしいけど、T田さんからショップを紹介してもらった。富山県のハッピーチューンというショップだった。といっても、T田さん自身もウロコ加工を頼んだ経験はないので、自分が人柱w しかも、金額も結構かかって、送料別で15,000円前後だったような気がする。ただ、勢いとは怖いもので、このときは躊躇なくショップへ送り出した。

初滑りで早速、ウロコ加工したMiku Pistolで滑ってみたのだけど、初めてのウロコ板に驚愕だった。あまりの滑りの悪さに驚いた。滑っていると雪との摩擦音が聞こえてくる。まるでシールのまま滑っているような感覚だった。緩斜面では減速して止まってしまうので、ポールで漕ぐ必要がある。スピードが出なくてつまらないし、ウロコ同士であればともかく、周りがウロコでなければ足並みが揃わない、というか、一人だけ漕ぐのは疲れるw そんなわけで、登りのテストすらろくにしないまま、数年後にはビンディングまではずしてしまい、ここ2、3年はMiku Pistolは放置していた。

ところが、その間に、まめあきさんから革靴とウロコ細板を譲ってもらうことができた。先シーズン、msrnが気まぐれに細板革靴でばんけいを登って滑ってみると、案外、楽しかったらしい。難しいのが楽しいと。自分がテレマークやスノーボードを始めたときに楽しかったのと同じだろう。新しく何かを始める楽しさだ。

ちょうど今シーズンは仲間内で一本杖ブームが到来。msrnがまめあきさんのウロコ板を使うので、ウロコツアーにはもう1本板が必要になって、Miku Pistolをインビス化してビンディングも取り付けた。

そして、いよいよウロコ加工したMiku Pistolでのハイクアップ。近場でサクッと歩いて登ってみたけど、他のウロコ板と同じように登ることができた。滑りはプラブーツにケーブルビンディングなので、3ピンの他の人よりも安定していた。ビンディングのツアーモードとスキーモード、ブーツのウォークモードとスキーモードとをいちいち切り替えていたので、歩きと滑りとの移行のスムーズさが劣ってはいるけれど。

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翌週はmsrnがMiku Pistolを使ったけれど、他のウロコ板と同様に登れて問題なし。滑りはやっぱり圧倒的に安定していた。Miku Pistolのセンター幅が95mmというファットスキーなので、ウロコ加工したソールでも市販のウロコ板並みにグリップするのかもしれない。それでもシールのような急登は全然無理なので、クライミングサポートは必要ない。

スキー自体はパークで飛びジブをすることを前提とした重い板で、幅も広いので、ケーブルビンディング以外に選択肢はない。軽快さを求めて3ピンにすることもできないだろう。滑り重視でシールを使わずに登れる板だと思えば、こういう板は自分好みではある。滑るのが難しすぎるよりは、安心して滑りを楽しめる方がいい。実際、細板を借りて滑るとツリーランがとても怖かった。

結論としては、ウロコツアーをするのにウロコ加工は十分魅力的な選択肢だ。使っていない板が眠っているのなら、ステップソールチューンしてウロコツアーをしてみると、スキーの世界が広がることはまちがいない。

ちなみに、自分がステップソールチューンを頼んだハッピーチューンのホームページはアクセスできなくなっている。ブログの記事を頼りに探していると、ウロコを掘るマシーンを開発した今井さんとはこの人っぽい。

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今でもステップソールチューンをしてそうなのは、キンペイさんから紹介されたnice edgeという千葉県のショップ。ここのウロコ加工「ウロコスキーは楽しいよさん」がやっているそうなのだけど、リンク先が見れなくなってしまっているので、今井さんと同一人物なのかは確認できない。

とりあえず、自分がステップソールチューンを依頼したハッピーチューンの井原さんは、富山県の観光紹介サイト?で紹介されている個人のFacebookによると、まだチューンナップは継続して行なっているようだ。ウロコ加工は確認してみないと分からないけど。

一方、市販のウロコ板は以前はG3やVoile、Madshusなどメーカーがいくつかあるようだ。ただ、ウロコ板はよっぽど人気がないのか、最近は作ってないっぽい。むしろ、国産のブルーモリスが作っているウロコ板が良さげだ。まなみさんのランドネをキンペイさんが乗っているのを見ても、グリップがよくて登りやすそうだし、ストップ雪でも滑りが安定している。革靴が直ったら借りて乗ってみたい。

ともかく、ウロコツアーにはウロコ板がないと行けないので、ウロコ板を買うか、ウロコ加工するかのどちらかだ。

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