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行者にんにくの採り方

ここ数年、行者にんにくを採るようになっていくつか気になることがあったので整理しておく。

最近のブログではよく目次を見かけるようになったので、真似して目次のようなものを作ってみたw

目次

行者にんにくの呼び方

行者にんにくの採り方のルール

行者にんにくの栽培のすすめ

行者にんにくの呼び方

まず、北海道では「アイヌネギ」の名前でも親しまれている行者にんにくだけど、自分は「アイヌネギ」という呼び方はしないようにしている。「アイヌネギ」という呼び方にはアイヌ蔑視の意図が含まれているからだ。

実際、アイヌの人たちは行者にんにくのことを「アイヌネギ」とは呼ばず、地域によって呼び方はいくつかあるけれど、平取のアイヌの人たちは「プクサ」と呼ぶ。ゴールデンカムイでも「プクサ」として登場する。他に「キトピロ」という呼び方を聞くこともある。

一方、「アイヌネギ」というのは長年に渡って北海道へ入植してきた和人が使った呼び名で、多くがその子孫である北海道の人が使い続けているにすぎない。現代になってから北海道へ移住した人たちも、周囲の人たちが普通に「アイヌネギ」と呼んでいるので、同じように使うのは自然なことだ。

知っての通り、行者にんにくはにんにくに似た独特の強烈な臭いがある。中華料理やイタリア料理には欠かせないにんにくであり、にんにくが入った料理を喜んで食べているにもかかわらず、食後のにんにくの臭いを嫌う日本人、特に女性が多いことに呆れる。にんにくを食べてにんにく臭くなるのは当たり前だ。臭いが嫌なら食べなければいいことだ。

そんなにんにく以上に強烈な臭いが行者にんにくにはある。その行者にんにくをアイヌの人たちが食べていたため、「アイヌは臭い」という蔑視の意図を含めて行者にんにくを「アイヌネギ」と呼ぶのだと子供の頃に聞いた。今年、「あ、犬」という発言が問題になったが、こうした北海道の人が普通に使う言葉の中にも、アイヌへの差別意識が潜在している。

同じような差別的言葉が生活に溶け込んでしまっている例は、子供の頃の鬼ごっこにも見られる。地域にもよるだろうが、自分が子供の頃の鬼ごっこは、鬼が追いかけてタッチするときに「えった」と呼んでいた。これも昔の日本の身分制度における「えた・ひにん」への差別が残っているのだそうだ。

逆に、日本酒、日本画、日本何がしと、日本人独特、特有のいろいろものには頭に日本が付いていたりするけれど、日本人が自分で付けたものには当然、差別的な意図はないだろう。「ガラケー」という自虐的な呼び方が定着していても、日本ケータイなどとは呼んでない。ただ、もしかしたら海外では、日本の物事を指して日本蔑視の意図を込めて呼んでいるものもあるかもしれない。知らないだけで。

以上のように、こうしたアイヌ蔑視の背景が「アイヌネギ」という呼び方にはあるため、行者にんにくは行者にんにくと本来の名前で呼ぶようにしている。

行者にんにくの採り方のルール

前置きが長くなったけれど、行者にんにくの採り方をネットで調べていると、いくつか共通するルールにたどり着いた。例えば、「北海道男の行者にんにく!」さんでは、

1、葉1枚=採ると行者にんにくが死ぬ
2、葉2枚=採取可能
3、葉3枚=種ができるので、採ると次回から減るからダメ

と書いてある。また、「ハローポーター」さんのところにも、次のように書いてある。

葉が2枚の個体だけを採ること
1枚葉のネギを採取してしまうと、その株は死ぬ。
3枚葉は、開花後に種を落とすことと地下茎で周りのネギに栄養を供給するので、採ってはいけない。

どちらも、葉が1枚のものは株が死ぬので採ってはいけない。3枚のものは花が咲いて種を落とすので採ってはいけない。採っていいのは2枚のものということになっている。

確かに、葉が1枚のものは小さく明らかに若い株だと分かる。芽が出たばかりで5cmくらいのものから、2枚のものと区別がつかないくらい茎が太いものまであるので、葉の枚数をしっかり数えないと判別が難しい。

そして、葉が3枚のものは、茎が太くて小指くらいはあったりする。

一方、葉が2枚のものには茎が細いものから3枚葉並みに太いものまでかなり大きさに幅がある。しかも、困ったことに、上記のように花が咲くのは3枚葉のものだけかと思っていたら、実は、蕾を付けている2枚葉のものもある。2枚の葉の付け根には、小さな蕾が育っている。

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逆に、3枚葉の方が蕾がないような気もする。今のところ3枚葉で蕾のある株を見たことはない。

一般に上物と呼ばれるような葉が広がる前の若芽の状態だと、2枚葉と3枚葉を区別するのはまず無理だろう。まして、2枚葉に蕾があるかどうかは、蕾が見えるほど葉が伸びなければ分からないんじゃないだろうか。

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できるだけ蕾を取らないように心がけるのに加えて大事なのは、どちらでも共通して書いてあることで「採るのは3分の1」というルールだろう。ネマガリタケやウドのようにどんどん生えてくる山菜とはちがい、採りすぎは絶対によくない。

行者にんにくの栽培のすすめ

ハローポーターさんでは栽培を勧めている。山中の天然のものに比べると行者にんにくらしさが薄れるとも言われるけれど、実家の庭で採れた行者にんにくはまぎれもなく行者にんにくだ。

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知人の庭から株分してもらって植えたものがだんだん増えている。花が咲いて種がこぼれるので、小さな株も周りに増えていく。

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