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マダニの感染症予防

はじめてマダニに本格的に噛まれたので、病院へ受診しに行った。

前日にハスカップを採りに行ってずいぶん藪を漕いだので、まちがいなくそのときに拾ってきたのだろう。その日はスチームサウナにも入ったのだけど、マダニが噛み付いているのには気づかなかった。ボディーソープでザッと洗ったし、スチームサウナの温度も45℃だったけれど、この程度の熱はマダニにはまったく影響がなかったのだろう。

実は、去年もハスカップを採りに行って、マダニが家まで付いてきたことがあった。そのときはたまたまハスカップを洗っているときに生ゴミのバナナの皮の上を歩いているのを見つけただけで、噛まれたりはしていなかった。

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ここにマダニがいることは知っていたし、いつもつなぎを着て首にはタオルを巻いて帽子も被っている。入浴時に見えるところだけ確認して、すっかり油断していた。

今回は翌日、たまたま首の後ろを触ったときに、何かがくっ付いているのに気付いて、瘡蓋ができて剥がれかかっているのかと思った。ところが、引っ張ってもなかなか取れない。不審に思ってiPhoneのカメラで撮影してみると、何か大きなほくろのほうな黒い丸いものが首の後ろについている。画像を拡大してみると、案の定、マダニだった。

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気づかないのも無理はない。首の後ろ、髪の生え際のところの完全な死角だった。寝るときもちょうど枕と身体で押しつぶされるような位置なのに、マダニは元気に噛み付いたままだったようだ。

こんなふうに噛み付かれているのに、痛みを感じないのでなかなか気づかない。ブユに噛まれたりすれば痛みですぐ気づくのに。実際、10年以上前、夏山登山で噛まれたときも痛みはなかった。このときは腹立ったので風呂ですぐに気付いて引き剥がした。

ただ、実は噛み付いているマダニをこんな風に自分で取るには注意しなければいけない。マダニは札幌市でも注意喚起をしているように、感染症のリスクがあるからだ。北海道でも感染症について詳しく解説がある。実際、2016年には40代男性がマダニによるダニ媒介脳炎で亡くなっている。ダニ媒介脳炎には治療薬がないらしいので恐ろしく感じる。

10年以上前にマダニに噛まれたときは、幸い、すぐに気付いたせいか、マダニの顎が残ったりすることもなくきれいに取れた。一方、今回は1日以上経っている。マダニは吸血を始めてからセメント質を分泌して1日もするとしっかりと固まって引っ張っても取れなくなるらしい。無理に引っ張ってちぎれると、マダニの体液が自分の体内に逆流して感染症のリスクが高まる。

すでにマダニと気づかすに引っ張ってしまっている。マダニの身体はちぎれてはいないけど、感染症が心配だ。それに、首の後ろで自分では上手く取る自信もない。日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aでは、「咬着後24時間以内に虫体を除去すると感染率が低い」と書いてあるが、もう1日以上経っている。手遅れ感が否めない。

慌てて近所の皮膚科へ歩いて行くと、よりによってこの日は午後の診療がなく受診できなかった。ずいぶん前に漆かぶれでお世話になった皮膚科は残念ながら定休日。家から近い皮膚科を探すと、ちょうど学生の頃に一度だけ受診した小林皮膚科がやっていた。自転車にまたがって急いで向かった。

15時すぎにクリニックへ着くと、中はものすごく混んでいる。受付を済ませて1時間ほど経ったら名前を呼ばれた。看護師に症状を聞かれたので、患部を見せると、看護師はマダニが元気に噛み付いているのを確認。診察室の前でさらに待つ。しばらくしてからまた呼ばれたので、診察室に入ってベッドにうつ伏せで寝て診察を待った。

数分後に医師が着て、ピンセットか何かで取ってくれた。ちょっと強く押し付けられたせいか、患部が少しヒリヒリする。患部が見えないし、うつ伏せで余計に状況が分からない。取ったマダニは元気に動いていた。持って帰るか聞かれたので、せっかくなのでお土産に家に持って帰ることにした。医師たちはちょっと驚いた様子だったけど、また噛まれないように注意を促し、ビニル袋にマダニを入れてくれた。アルコールを染み込ませた脱脂綿で包んでいるので、動かなくなるらしいけど。確かに、帰宅して袋から出すともう動かなくなっていた。

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薬も処方された。抗生物質の塗り薬と飲み薬。風呂に入って石鹸で患部を軽く洗ったあとに塗り薬をつけ、飲み薬は毎食後。それを1週間続ける。ダニ媒介感染症の潜伏期間が7日以上なので、薬が切れても安心はできなさそうにも思うけど、ともかくは正しい処置をしたことにはなるので、自分で取るよりは安心だ。

マダニを取ってもらったあとは患部に絆創膏が貼ってあったのだけど、入浴前に取ってもう一度患部の写真を撮ると、触って少し腫れている通り、患部が赤くなって少し盛り上がっている。

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数日経ってもまだ腫れは残っているけど、もう痛みはない。自分で患部を確認しづらいのがいやらしいけど、このまま感染症にならずに済んだらいいな。

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