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土砂災害警戒区域

熱海で土石流の災害が起きてからよく耳にするようになった。

朝のニュースで土砂災害警戒区域を国土交通省の「重ねるハザードマップ」というので確認できると言っていたので、試しに見てみた。災害種別から「土砂災害」を選ぶと、地図上に何種類か絵の具をこぼしたように塗りつぶされた個所が表示される。例えば、急傾斜の崩壊についての警戒区域(黄色)や特別警戒区域(赤)とか。

デフォルトだとほとんどが表示状態で訳がわからないので、いったん非表示にしてから、見たいものだけ表示してみると分かりやすい。

解説判例を見ると、例えば、急傾斜の崩壊というのは、「傾斜度三十度以上である土地が崩壊する自然現象」らしい。警戒区域と特別警戒区域があって、それぞれ黄色と赤なので、赤の方がヤバそうだけど、具体的にどうちがうのかはよく分からない。

そんなわけで、そもそも土砂災害警戒区域とは何ぞやということになる。とりあえず、東京都が「土砂災害防止法 よくある質問と回答」というのを公開していたので読んでみた。すると、平成11年に広島県で起こった大規模な土砂災害をきっかけに、平成13年に「土砂災害防止法」というのが施行されたそうだ。で、知りたい土砂災害警戒区域について、こう解説してあるので下に引用する。

『土砂災害警戒区域(イエローゾーン)』は、土砂災害が発生した場合、住民の生命・身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域であり、災害情報の伝達や避難が早くできるように区市町村により警戒避難体制の整備が図られます。
『土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)』は『土砂災害警戒区域(イエローゾーン)』のうち、建築物に損壊が生じ、住民の生命または身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域であり、一定の開発行為の制限や居室を有する建築物の構造規制が義務付けられます。

結局、具体的にどうちがうのかは分からないままだけど、特別警戒区域の方が生ずるおそれがある危害が著しいため、開発や建築物の構造規制が義務付けられるようだ。東京都ではさらに解説があった。確かに、張碓原野でも一応、調べた記憶がある。

自宅の近所をさっきの重ねるハザードマップで見てみても、知人の家は土砂災害警戒区域すれすれだった。道路を挟んで向かいの新しい家は、赤い特別警戒区域に含まれているので、おそらくは建設時に何らかの規制を受けていたはずだ。裏が崖のようになっているので無理もない。ハザードマップでは急傾斜地崩壊危険箇所(傾斜度30°かつ高さ5m以上の急傾斜地で人家等に被害を与えるおそれのある箇所)も表示できるようになっていて、上記の警戒区域と特別警戒区域の周りが含まれている。

急傾斜の崩壊とは別に、今回、熱海で問題になった土石流についても、警戒区域と特別警戒区域があるようだ。これもまた近所にあって、別の知人の家へ向かう道路の一部が警戒区域に含まれている。宮の森シャンツェから伸びる沢が道路から暗渠になっているようで、そこを起点に特別警戒区域と警戒区域にしていされている。ちょうど熱海でも同じように暗渠から土石流が溢れ出ている映像があった。

ただし、ハザードマップでは土石流危険渓流というのも表示できるようになっていて、山あいの住宅は軒並みこの領域に含まれてしまっている。先ほどの急傾斜の崩壊の警戒区域すれすれだった知人の家も土石流危険渓流に入ってしまっていた。沢が危ないというのは、雪崩と同じだろう。

次の地すべりについては、札幌近郊でも急傾斜の崩壊や土石流ほど警戒区域は多くない。パッと目につくのは、サッポロテイネのゴルフ場の下くらいだ。

張碓原野も礼文塚川の右岸に建つ家の多くは、急傾斜の崩壊における警戒区域にかかっている。見た目にも崖に乗り出して立っていて危なく感じるような家もあるので当然だろう。

礼文塚側の左岸が警戒区域に指定されていないとはいえ、かもめ保育園も旧園舎は急傾斜崩壊危険箇所に含まれている。さらに、春香山から礼文塚側の沢筋へと土石流危険渓流も伸びていて、旧園舎の場所にもかかっている。実際、対岸から見るとやっぱり崖のすぐそばに建っていて危なそうに見えていた。そういう意味では、新園舎は少し安全になったのかもしれない。

とはいえ、急傾斜崩壊危険箇所となっているだけあって、北海道土砂災害警戒情報システムを見ると、未指定の警戒区域・特別警戒区域として表示される。どうやら今後指定されることになりそうだ。

宮の森や円山は高級住宅街だ。眺望を求めて富裕層が集まるのだろう。張碓原野の近くでも、海岸沿いの崖の近くまで立派な家が建っていたりする。安全な土地ほど高いのかといえばそうでもないのは面白い。

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