コロナ禍の墓参り
第6波が来る前に、去年行けなかった墓参りへ行ってきた。
去年は2月に新型コロナウイルスの感染拡大が起こり、田舎ではお盆に札幌から墓参りにでも行こうものなら、バイ菌扱いされるような状況。叔父は抗がん剤治療を受けているため、万一のことを考えて墓参りは中止した。
その後もタイミングをみて行こうと思っていたけれど、安倍菅自公政権の無能なコロナ対策のせいで感染拡大が繰り返されて、往来自粛の要請もあったりして、いつまで経ってもなかなか墓参りへ行ける条件が整わなかった。今年もオリンピック開催もあって、お盆はちょうど過去最大の感染拡大となった第5波に襲われ、墓参りどころではなかった。
ところが、幸い、第5波は原因不明ではあるけれど、かなりの勢いで収まってくれた。ちょうどワクチン接種も2回済ませることができた。緊急事態宣言も解除され、早ければ来月には訪れると言われている第6波の前に墓参りへ行くには今しかなかった。ちょうど次の抗がん剤治療の前でもあったので。
せっかく秋なので、道中に紅葉も楽しみたいし、何より普段なかなか行けないサウナに入りたかった。ニセコの紅葉を見てからサウナへと思ったけど、残念ながら綺羅の湯は工事中で男女どちらかしか入浴できないようだった。
2日目に帰ってくるときには雪の予報だったので、あまり標高の高いところへは行けない。そこで、赤井川を抜けて倶知安へ出たら、そこからチセヌプリの方へ五色温泉を通って行くことにした。ちょうどナナカマドも真っ赤に染まっていてきれいだ。試しにパノラマラインをさらに登ってみると、すぐに葉がくすんで散り始めていたので、引き返してプラティーボへ行って昼食にした。
11時半前だったのでまだ混んでいなかったけど、以前のようなメインディッシュはなくなり、すべてビュッフェ形式になっていた。金額が変わったかどうかは覚えていないけど、以前と比べると物足りなく感じてしまう。こんな形でコロナ禍の影響が出てしまっているのは残念だ。
ミルク工房でお土産を買ってから銀婚湯を目指す。サウナはないようだったけど、墓参りのときに何度か寄っているし、時間的にも夕方に着いてちょうどよかったので。ところが、落部の辺りで叔父から連絡があり、雨が降る前に墓参りを済ませるために、温泉へは寄らずにまっすぐ江良まで行かなければいけなくなってしまった。
確かに、日本海側へ出ると雨がパラパラ降ることもあった。江良へ着くと傘がなくても大丈夫なくらいには雨が降っていたので、急いで墓参りを済ませた。
道中でも驚いたのだけど、海岸線には風力発電の風車がものすごく増えていて、なんと墓のすぐ脇にも風車を建てる工事をしている最中だった。いい景色の墓だったのに、せっかくの眺めが風車で遮られてしまう。見渡すと遠くまで風車が連なって見える。人口も少なく風も強く、風力発電には向いているのかもしれないけれど、札幌からやって来て印象的に感じる海岸線の景観が風車によって別のものに変わってしまうのは残念に思う。海に沈む夕日も地元の人には見慣れた光景だけど、海がない札幌に住んでいると、とても美しく感じる。地元にも産業として風力発電があった方がいいのだとしても、景観との両立はなかなか厳しいだろう。
2年ぶりの再会のせいか、叔父夫婦とママンは夜遅くまで話していたようだ。自分は運転で疲れたせいか、21時すぎには早々と布団に横になったけど。その頃には風も強くなって外は土砂降りだった。明け方まで続いたらしい。6時に目が覚めてトイレに起きると、布団には戻れない雰囲気で、そのまま新聞を読んでから先に朝食をいただいた。
9時すぎに出発すると、青空だけど風が強くてものずごく冷たい。海からの風が強くて車のフロントガラスには霧雨のように潮が降りかかる。橋ではタイミング悪く大きな波が打ち寄せて塩水をかぶってしまった。こんなことは初めてだ。
江差へ着くと雹降って来て焦る。ちょうどコンビニへ寄って出てくると路面がうっすらと覆われていて、試しにブレーキをかけると予想通り滑る。解けるまでは慎重に走った。
太平洋側へ出ると天気はすっかり変わって路面が乾いている。2日目の目的地、洞爺湖まで海岸線を通ってまっすぐ進んだ。たまに雨は降ってくるけど、それほど強くはない。
念願の洞爺湖万世閣ホテルレイクサイドテラスへ到着。ランチビュッフェ付き日帰り入浴はコロナのせいか休業中で、スープカレーとのセット。朝食を食べすぎてあまり腹が減っていないし、風呂の前に食べるよりは、風呂の後に食べたかったので、風呂だけにする。ただ、風呂も13時からなので、15分待つことになった。
時間になって地下1階の月の湯へ行くとガラガラ。誰もいない湯船につかってからサウナへ行くと、なんとここに人が集まっていた。さすがサウナブーム。おおかたサウナに並んででもいたのだろう。10分間隔のオートロウリュは控えめで、温度も高くなくとても優しいサウナだ。これは暑いのが苦手な女性でも楽しめそう。ただ、最近は実家のスチームサウナに慣れていたので温まり方が物足りなくて時間もかかった。
浴室のかけ湯で汗を流してから水風呂へ向かうと、ちょうど天井から滝のように水が落ちて来ていたので下に行って頭から浴びると、意外にも水風呂の水が冷たいせいか水風呂よりも温かかった。外気浴は露天風呂の奥の庭を見ながらベンチに座ったのだけど、西高東低の冬型の気圧配置で気温が10℃を切る寒さでは、あまり外にいると身体が冷え切ってしまいそうだった。
サウナは2セットで、最後に露天風呂で温まってから上がる。脱衣室に冷たいレモン水のサービスがあるのがありがたい。冷たすぎるので1杯だけにしたけど。
風呂のあとは車に戻っておやつを食べてから札幌へ向かう。洞爺湖から内陸を進むつもりだったけど、あまり標高を上げると積雪で危ないかもしれないので、比較的標高が低い美笛峠を通って帰ることにした。きっと紅葉もきれいなはずだ。
確かに北湯沢の紅葉はきれいだったけど、美笛峠の登りはヒヤヒヤものだった。みぞれが降っているし、道路脇の藪や木々は雪化粧。車の温度計も1度、また1度と下がっていく。いよいよ1℃まで下がった頃、美笛峠を無事通過した。峠を越えれば秋へ戻ったようだ。遠くの山の頂きは白くなっているけれど、日差しに色づいた木々が眩しい。
札幌へ着いたのは17時くらい。遅い昼食というか早い夕食というか、さすがに空腹なので店へ食べに行ったのだけど、行くところ行くところどこもコロナの影響か日曜日は夜の営業がない。仕方なく実家の近くの油そばたおかへ初めて行ってみた。
以前から気になっていたので、いい機会だった。腹が減っているので、ボリュームのありそうなたおか盛りの大盛りにした。並盛りと料金が同じだったので。ところが、想像以上のジャンクフードで、完全にやられてしまった。完食はしたけれど胃にもたれてしばらく動けなかった。
帰宅すると早く寝たかったけど、仕方なくもらった栗を剥いて栗ご飯の支度をして、それが済んだらすぐに寝た。札幌と松前はやっぱり遠い。
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