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曲がり角のVector Glide

Vector Glideの来シーズン、22-23シーズンのラインナップからは多くのモデルが消え去ることとなった。

記憶を辿りながら消え去ったモデルを数え上げてみる。

BIG FATカテゴリーからは、Butter Knife、Mastiffの2モデル。ALL MOUNTAINカテゴリーからMAKE STの1モデル、合わせて3モデルが姿を消した。

昨年、エリック・ポラードのブランドseason eqpt.と対比して、Vector Glideのモデルの急増に危機感を示した。特に、契約ライダーが増えたのに合わせてシグネチャーモデルが急増。特徴は違えどセンター幅が100〜110mmほどでかなり被るラインナップとなっていた。実際の売れ行きは知らないが、ラインナップから消えたことには理由があるのだろう。

Mastiffといえば、Vector Glideではかなり初めの頃に登場したBIG FATだった。秋庭さんによると、センター幅を115cmというギリギリちゃんとカービングができる幅に抑えていて、冬山のどんなバーンでもねじ伏せることができるようなスキーというイメージだった。

その後に登場したButter Knifeは、スキーのFAT化の波に乗って現れたモデルで、Vector Glideの角付けによるカービングのイメージとはずいぶん異なるモデルだった。ただ、初期のモデルはセンター130mmのBIG FATであるにもかかわらず、キャンバーがあってサイドカーブもあるような結構無茶なセッティングの板で、角付けを無理やりやろうとこだわった結果のように感じた。

実際、やはり無理が祟ったようで、すぐ翌年ぐらいには同じセンター130mmのGENIUSが登場し、数年後にはButter Knifeはフラットキャンバーへと変更になった。結果としてVector Glideのモデルでありながらカービングのキレを追求しない異色のモデルだった。

ALL MOUNTAINカテゴリーから消えたMAKE STは、以前のMAKE WTのリメイク版とも言えるモデルで、ロッカーを取り入れてパウダーも滑りやすくなり、初心者向けの位置付けだった。その一方、初心者といえども1本目のVector Glideとしては、フラッグシップのCordovaを選ぶ人の方が圧倒的に多かった。おそらくは他のメーカーの同じカテゴリーの板と比べても特に目立たず、実力が埋もれてしまっていたからだろう。

一度乗れば扱いやすいいい板だと分かるはずだが、良くも悪くも個性が弱いので見向きもされない。Vector Glideらしい張りがあって安定しているにもかかわらず、低速でも、弱い脚力でも板をたわませやすい、オススメの板なんだが。

以上の3モデルの中でButter Knifeはともかく、MastiffとMAKE STが消えたことは、ラインナップが平凡になったということを示していると言えるかもしれない。

ただし、チャートからはMastiffだけは消えていない。

Chartg

All MountainのAdvancedモデルとして残っている。消し忘れでなければ、きっと22-23シーズンのみなのだろう。

一方、Butter KnifeとMAKE STは見当たらない。MAKE STは大事に乗り続けよう。

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