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テレマークスキーは消えゆく運命か

スノーボードブランドBURTONの創業者、ジェイク・バートン・カーペンターの伝記を読み終えたあとの感想だ。


 

実は、この本を読むまで、バートンがスノーボードを生み出したということを知らなかったw 正直、BURTONは老舗のスノーボードブランドの1つくらいだと思っていた。

スノーボードが普及したきっかけは競技だったようだけど、BURTONがスラローム競技を通してスノーボードの競技を広めたのに対して、ライバルのSIMSはスケートボードのハーフパイプをスノーボード競技へ導入した。若者はフリースタイルをカッコいいと感じ、バートンはスノーボードがフリースタイルが主流となっていくことを受け入れた。

スノーボードにはサーフィンやスケードボードといった若者もカッコいいと思う横乗りカルチャーがベースにある。雪の上を滑る競技だから、初めはスキーのようにスラロームだったのかもしれないが、スノーボードのスラロームを目にするのはオリンピックくらいで、スポーツ店へ行ってもスラロームで使うアルペンボードは売ってすらない。今やスノーボードはスリースタイルだと言える状況だ。

このスノーボードの状況と対比してテレマークスキーの状況を客観的に見ると、どう考えても今後さらに衰退して消え去るのみだろう。テレマークスキーは若者から見てカッコよくない。テレマークスキーをしている年寄りは、自分たちがカッコいいと勘違いしているけれどw

ヨーロッパでは一応、FIS(国際スキー連盟)がテレマークスキーのワールドカップを行っているらしい。もちろん、フリースタイルではなく、スラロームだ。テレマークにはスケーティングとかもあるらしいけど。ただ、FISのサイトを見ても、テレマークスキーはスピードスキーやグラススキー、マスターズの同じカテゴリーに入っていて、スノーボードとは比較にもならない。ちなみに、動画が公開されている。

こんなのカッコいいか?

北海道には秀岳荘杯とO1 Cupという草レースがあった。O1 Cupには、過去に2回、参加したことがある。草レースと言っても、痛板を作った2013年に、前身のTry Telemarkのファンレースに布教のためというネタでw

翌年、2014年の第1回 O1 Cupにも参加はしたけれど、msrnに景品が豪華だからと物に釣られたからだw

レースは参加してる人だけは楽しいかもしれないけど、無関係の人が楽しいと思うような競技ではないw

理由はよく知らないけど、このO1 Cupも今年の第10回を最後になくなってしまった。

札幌では学校でスキー学習があるけど、スキーに飽きた子供がスノーボードでなくテレマークスキーを選ぶことはまず考えられない。

第一に、道具が高価だ。スノーボードがスキーと同じ程度に普及しているのに比べ、テレマークスキーはスキーボードよりも滑っている人は少ないのではないかと思うほどなので、残念ながら安くなりようがない。ストック以外はブーツもビンディングもテレマークスキー専用が必要。インサートビス化すれば板は共用できるけど、加工には知識も技術も要る。若者には敷居が高い。

メーカーの開発も、この数年で75mm Normという古い規格からNTN(New Telemark Norm)という新しい規格へとテレマークスキーのビンディングとブーツは移行したけれど、ブーツの開発は止まっているのか、もう何年も新製品は出ていない。75mmではビンディングを作っていたBlack DiamondもG3もテレマークスキーから撤退してしまった。

一方、原点回帰で細板革靴という方向もテレマークスキーにはないわけではない。ただ、こっちも少数派で革靴も細板も、事実上、中古品を手に入れるしかない。どちらかというと、もう元気よく滑ることはできない年寄りが昔の細板革靴を好む印象だ。

こんな状況でもテレマークスキーを始めたいと思わせるものがあるならともかく、フリースタイルとはほとんど無縁のテレマークスキーが若者からカッコいいと思われるはずがない。どう考えても先細りだ。

フリースタイルというとX-GAMESが有名だろう。

スノーボードもスキーも若者がカッコいいと思うのは、こういうものだ。スケートボードやインラインスケートでハーフパイプでトリックを決めるように、スノーボードやスキーでトリックを決める。

これらのスノースポーツと比べると、テレマークスキーは完全に主流から置き去りになってしまった。

10年くらい前には、日本でも比較的若いテレマーカーがフリースタイル、フリーライドへのアプローチを行なっていることもあった。

けれど、残念ながら日本でテレマークスキーのフリースタイルが定着することはなかった。パークやハーフパイプでテレマーカーを見かけることはまずない。スキーはスノーボードと一緒に盛り上がっているというのに。

絶対フリースタイルの方がカッコいいよ。おっさんでもそう思うw

サーフィンの流れはGentemstickのようなスノーサーフにもつながっているようだけど、残念ながら、テレマークスキーにスノーサーフのスタイルが取り入れられているようには到底考えられない。ほとんどのテレマーカーはスキーヤーの滑りをしていて、スノーボードの滑りを取り入れようという意識は感じられない。ましてスノーサーフなんて。

結局、テレマークスキーは(アルペン)スキーほどフリースタイルに取り組んでもいなければ、スノーボードのような横乗りカルチャーにアプローチもしていない。Instagramでは#テレマーク流行ってるという痛いハッシュタグを目にすることがあるが、独りよがりでダサいテレマークスキーは消えゆく運命だろうw

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