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24/1/27 なでこスネークス

実に14年ぶりにN田くんとBCへ。

前回は一応、BCデビューということだったのだけど、生憎のコンディションで全面レインクラスト。まともに滑れたものではなかった。反面、雪崩のリスクがないのは気楽だったのだけど。

去年、久しぶりにN田くんから連絡があり、10月に北大のASSHの講演会へ一緒に参加していた。そのとき雪崩入門も渡しておいて、この日はついに本格的なBCデビューとなる。自分自身、しばらく雪崩トランシーバーを使った訓練をしていなかったので、一緒にやるつもりで準備していた。

N田くんは厳冬期のBCでのハイクアップは初めてだし、滑りはおまけ程度に近場で練習する計画だった。ゆっくり出発して9時半すぎにハイク開始。

いきなりの急登でN田くんが苦戦。N田くんのスキーはSeazon eqpt.のおそらくpass ski 176cm。この後もハイクアップでかなり苦労していたのだけど、確かに下地が崩れやすくて登りづらいとはいえ、あまりにもN田くんのスキーは足元が崩れて滑り落ちすぎる。しばらく観察していると、どうにもフレックスが極端に柔らかくて、まるでスプリットボードのようにフニャフニャ。しかも、トップとテールがすごく柔らかくて、ほとんどブーツの下だけで雪を踏んでいるように、足元だけ沈んでトップとテールが浮き上がっている。きっとシールのトラクションも足元しか効いていないのだろう。

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ジグを切って登っているときには、まともにエッジで角付けできているのも、ブーツ下だけに見える。トップとテールは柔らか過ぎて、荷重を支えているようには見えない。結果として、スノーシューで登っているような状況になって足が沈む。しっかり沈むならまだしも、テールとトップが中途半端に引っかかるので、沈みこみも中途半端でスキー全体がずり落ちる。こんなに登りづらそうな板を見たのは初めてだw

N田くんはすでにかなり消耗してしまったようだったけど、ともかくは滑る予定の斜面を見たい。一応、偵察も兼ねていたのでw

尾根へ出ると、先行パーティーの登りトレースが見えた。

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せっかくなのでトレースを借りて登ろうと思い、沢を横切ってトラバースした。登りトレースに合流したところで休憩していると、上から年配のパーティーが登りトレースを滑り降りて来た。山屋さんっぽい滑りと服装。奥の尾根は風で雪が飛ばされてカリカリで、ここが一番良かったそうだ。まぁ、そうだろう。嵐だったから。

とりあえずはトレーニングということで、ドロップポイントまではこのまま登る練習をしながら進むことにした。

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沢筋にはスノーボーダーが滑り降りたトレースも残っている。早朝か前日のもののようだ。途中からはスノーボーダーたちの登りトレースで、一人はスノーシューで直登している。なんとなくトレースを辿りながら、雪庇の上まで登ってシールをはずす。

滑る前に一応、コンプレッションテストもやってみる。久しぶりなのでやり方をかなり忘れているw シャベルとスノーソーをザックから取り出して、雪庇の下の適当なところで雪柱を切り出す。シャベルで手首、肘、と順にポンポン叩いて、肩から腕を振り下ろしたら、表面から50cmくらいのところでスパッとズレて落ちた。Sudden Planer?CTH21(SP) down 45cmって書けばいいのかな?

積雪は安定しているが、強い刺激で崩れた場合には斜面全体のスラブが崩れ落ちる大規模な雪崩になるかもしれない。いつもは斜面の途中で大きなクラックが発生していることが多いけど、雪不足のせいなのか今年は藪もまだたくさん残っていてクラックはない。藪が濃いので若干テクニカルだけど、ボードよりはなんとかなるかなw

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今シーズン始めてGeniusテレでのBCは、初めは緊張したけど、そこはGenius、自慢の扱いやすさで藪の狭い隙間も切り抜けることができた。気持ちよく滑りすぎるとコンパニオンレスキューの練習に適当な場所をはずれてしまいそうなので、途中で我慢してストップ。N田くんに合図を送って滑り降りてくるのを待った。ハイクアップでは苦労していたけど、藪にぶつかることなく降りて来たので安心。

途中で止まったものの、もう少し滑れそうな斜面が続いていたので、ボトムまで滑り降りてから練習することにした。どういう状況でコンパニオンレスキューをするのか考えてみたけど、雪崩トランシーバーの受信可能距離はだいたい60mくらいだったはず。発信用の雪崩トランシーバーを雪に埋めてから60m以上もツボ足で歩いて離れるのはさすがに辛い。ってことで、まずは雪を掘って、ガラ袋に段ボールと受信用トランシーバーを入れてから雪を詰める。それを雪の穴に埋めてから、歩けるだけ歩いた。いや、そんなに歩けなかったw

さて、では、デブリのすぐ近くでサーチスタート。当然、いきなり電波を拾う。表示を見ながら埋没者を探し、1mくらいまで近づくとプロービング支持の表示に切り替わった。

さあ、ザックを下ろしてプローブを取り出そうとしたけど、どんなにザックの中を探してもプローブがない。忘れて来た?

N田くんもすぐにやってきて、ザックからプローブを取り出して突き刺すと、すぐにヒット。そのままプローブを抜かずに立てたまま、ザックからシャベルを取り出して掘ると、そんなに深くは埋めていないので、すぐに出て来た。中の段ボールには穴が空いているので、やっぱりザックを練習には使わない方がいいと思ったw

プローブを忘れても、捜索者が複数いればなんとかなる。でも、今回は2人パーティーで、もしN田くんが埋没したらと考えると、ヤバい忘れ物だった。

大きな教訓が得られた有意義な訓練だった。気を取り直して登り返し。来る途中になんとなく疎林の沢地形が上まで続いているのが見えたので、沢の上端付近まで登ることにした。とはいえ、すでにN田くんは疲労気味でかなりゆっくりなペース。適当なところまで登ったら、シールをはがして滑走開始。

先に滑り降りたN田くんが自分たちの登りトレースを見つけたので、それを目印に戻って行ったけど、どうも方向がおかしい。トレースにポールの跡がないし、ログを確認すると、別の人の滑ったトレースのようだ。初歩的なミスをしてしまったw

そのままフォールラインへ滑り降りれば問題ないので、方向を変えて滑り降りて行くと、来るときに苦労した急斜面へ辿り着いた。デザートにもならない斜面だけど、せっかくなので気持ちよく3ターンくらいして終了。

ハイクアップへの板の向き不向き、シフトビンディングのヒールリフターの低さ、あとは本人の技術と体力と、いくつか課題はあるけれど、できることから解決していけばいいだろう。

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